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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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血と骨

主人公をたけしが演じたのは僕はダメだと思います。

r081990368L.jpg ★★★★☆☆☆☆☆☆ 

 監督/崔洋一

 出演/ビートたけし、鈴木京香、新井浩文

 (2004年・日)

 

 
 僕はこの映画の監督の崔洋一という人の作品は、かなり昔に、深夜にたまたまテレビで「月はどっちに出ている」という映画をやっていて、途中からなにげに見たのですが、どこか心温まるなかなかの佳作でした。

 しかし、この映画は決して心温まる映画ではないですね。1920年代に韓国の済州島から大阪に渡ってきた金俊平という男の人生を描いたものなんですが、コイツは家族に暴力は振るうし、愛人は囲うし、ものすごいケチだし、本当にとんでもないヤツなんです。かなりエネルギッシュな人間で、裸一貫からかまぼこ工場を立上げ、金貸しになり、とだんだん成り上がっていくんですが、自分以外の人間は決して信用せず、信じるのは自分と現金だけです。

 こんな奴の人生を見てても、「こんな奴とは絶対関わりたくないなあ。周りの人は大変だっただろうなあ」と思うだけですからね。僕のイメージでは在日の人は仲間同士の絆が強く、お互い助け合って生きていっていると思っていたのですが、こいつはそういう仲間も平気で低賃金でこき使って何か文句言ったらシバいてましたし。

 まあ、在日の人々の苛酷な差別や暮らしを描いただけの説教臭い映画よりはマシですけどね。しかし、この主人公には決して魅力を感じないし、2時間24分ととても長い映画で見終わった後はどっと疲れたし、豚の解体のシーンは気持ち悪かったし、僕はそんなにこの映画は好きじゃないですね。評価は★4です。

 監督がこの映画を一生懸命魂を込めて作っているのは分かるんですけどね。僕は戦後の在日の人々の歴史にはまるで詳しくないですが、大阪生まれなので在日の人々が固まって住んでいる地域は身近にあったし、韓国語しか通じない焼肉屋とかも知っているので、映像を見てるとこの監督が在日の人々の生活をかなり細かいところまでこだわって再現しているのがよく分かりました。

 しかし、配役は失敗だったと思いますよ。賛否両論あると思いますが、僕は主人公を演じたのがビートたけしというのがダメだと思います。松本人志も「シネマ坊主」で言っていましたが、決してマネをして言っているわけではありません。ビートたけしは怒らしたら怖そうなんですけど、基本的にいい人に見えますからね。
 
 愛人の体をタライで洗ってあげるところや、娘が死んだときに怒り狂うところなど、ちょっとだけある温かいエピソードの時は、たけしでいいんですけど、この主人公は基本的にダーティなんで、ほとんどは暴力的なエピソードです。そういうとこでは、たけしの声が小さくて高い所と身体が小さい所はやはりマイナスですね。あと、老人に扮したらコントに見えてしまうとこもお笑い出身者の泣き所です。

 ちなみに、映画の本筋とあまり関係ないんですが、この映画ではオダギリジョーが日本アカデミー賞を獲得しています。しかし彼はあんまり登場しなくて、見せ場はたけしとの格闘シーンだけなんですが、それならたけしの娘役の田畑智子が寺島進に暴力を振るわれているシーンの方が怖くて迫力がありました。日本アカデミー賞の選考基準というのはよく分からないですね。


 

<血と骨 解説> 

 第11回山本周五郎賞を受賞した梁石日の自伝的小説『血と骨』を、『刑務所の中』の崔洋一監督が映画化した怒濤の人間ドラマ。昭和という時代を生き抜いた男の狂気にも似た生涯を、ビートたけしが怪演する。彼の妻役に鈴木京香、息子には『ラブドガン』の新井浩文や、美形俳優オダギリジョーらが扮し、熱い演技合戦を繰り広げる。”たけしさんが親父に見えて怖かった”と原作者が語るほど、彼の演技には鬼気迫るものがある。

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