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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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ヤスオー
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松本人志と映画が好きな人。
どっちかといえば松本人志が好きな人。
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ハードキャンディ

ヘイリーはジェフをどうしてそこまでいたぶるのか。

c100759251_l.jpg ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

監督/デヴィッド・スレイド

出演/パトリック・ウィルソン、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー

 (2005年・米)



 出会い系サイトで知り合った14才の女の子であるヘイリーと、32才のカメラマンのおっさんのジェフの話です。この2人はチャットで実際に会うことを約束します。待ち合わせのカフェでヘイリーに初めて会ったジェフは彼女のことを気に入ったのか、スタジオ付きのオシャレな自宅にヘイリーを連れ込みます。しかしそれはジェフの行動を完璧に読み切っているヘイリーの罠でした。

 オッサンと少女の騙しあいをスリリングに描いたサスペンスなのかと思いきや、ただ単にオッサンが少女に一方的にいじめられている様子を延々と映しているだけのしょうもない映画でしたね。幼い女の子にみだらな行為をしたいとか思っている男性には教育的効果はあるでしょうが、僕は地方公務員ですからそんなことしたら本当にエラいことになるのはこの映画を見る前から十分に自覚していますし、年齢を含めた相手の本当の素性が何もわからない出会い系サイトなんか利用したこともないですしね。

 それにジェフはそんなにひどい目に遭わなければいけないほどの悪いことをしたのでしょうか。そりゃ無理やりとか、相手が幼稚園児や小学生だったらいかんけれども、14歳の女と合意のもとでヤルのは僕の中では許容範囲です。それだったら普通にイジメとかするヤツの方がよっぽど悪いと思います。おそらくこの監督は、インターネットを利用した児童買春・児童ポルノなどが増えている秩序のない現代をひどく憂いており、正義感からこんな映画を作ったのでしょうが、僕は何にも共感できなかったですね。

 いやもちろん彼が過去にやった事から考えても、ジェフは生粋のロリコンで変態ですよ。しかし頭のおかしいのはむしろヘイリーでしょう。そもそもなぜジェフをそこまでいたぶるのかがまったくわからない。ただの正義感だけでここまでするのも考え難いし、金目当てでもなさそうです。途中友達の復讐劇と思わせるところもあったんですが、通して見たらどうも違うような気がします。理由がよくわからないうえに、こいつはスパッと「手術」をせずにジェフをぬか喜びさせたり絶望へ突き落としたりと心理的にいたぶって楽しんでいます。この監督は日本のオヤジ狩りにヒントを得てこの映画を作ったようなんですが、ヘイリーの心理は僕にはまったくわからないし、キャラクターに何のリアリティもなかったです。

 おまけにこのヘイリー役の女優が全然可愛くないんですよ。「アメリカン・ビューティー」という映画ではケビン・スペイシー演じる主人公が自分の娘の友人を好きになるんですが、その映画に出ていた子は可愛かったから、ケビン・スペイシーのことを「こいつはバカだなあ。」と思いながらも「まあ男だったらしゃわないわな。」と理解できる部分もあった。しかしこの映画のジェフの気持ちは僕にはまったく理解できません。いくら若いのがいいといっても、多少は容姿で取捨はするでしょう。リスクの高いことをしているんですし。

 「手術」のシーンはけっこう緊張感がありましたね。僕も昔ソフトボールをやっていて、自打球が自分のボールに当たり、息が出来ないくらい痛かった経験があります。1週間ぐらいボールだけじゃなく腰まで痛かったです。男だったら誰でも過去に1度や2度はそんな経験をしているだろうし、この映画の「手術」がどれだけ恐怖かは重々分かります。この映画のジェフはこれ以上ないぐらい焦っていますが、まったくオーバーに見えないですし、全然笑えませんでした。

 しかしこの映画で見せ場はそこぐらいです。ストーリーは単調で何にも面白くありません。「ヘイリーは実は…」というところで意外な答えを用意しといたら絶対にこの映画は面白くなると思うんですけどね。近所のオバハンもどんでん返しのための何らかの伏線かと思いきや、本当にただの近所のオバハンでしたし。

 ラストももやもやした終わり方で全然スッキリしないですし、まあ評価としては★1ぐらいの映画ですね。そういえばこの映画は一緒に見た嫁はんも面白くないと言っていましたが、グロい映像やエロい映像はまったくないし、男性がバカで女性が優秀なように描かれている映画なので、もしかすると女ウケはするかもしれませんね。





<ハードキャンディ 解説>

 無垢な愛らしさを持つ14歳の少女と、彼女と出会い系サイトで知り合った中年フォトグラファーの危険な駆け引きを描いたサスペンス。監督はサンダンス映画祭で絶賛された新鋭デイヴィッド・スレイド。キュートな少女の顔と、大人の男を冷徹に追い詰める二面性を持ったヒロインに新星エレン・ペイジ、彼女に翻ろうされる男を『オペラ座の怪人』のパトリック・ウィルソンが演じる。日本のおやじ狩り事件から発想を得たというストーリーにハラハラさせられること必至。
 出会い系サイトのチャットで知り合った14歳の少女ヘイリー(エレン・ペイジ)と32歳の売れっ子フォトグラファー、ジェフ(パトリック・ウィルソン)。キュートなヘイリーが気に入ったジェフは、彼女を自宅に誘い込む。いつの間にか気を失ったジェフは、股間むき出しの状態でキッチン台に縛り付けられていて……。
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クイズ・ショウ

日本の素人参加クイズ番組はアメリカより健全ですね。

r167050989L.jpg ★★★★★★☆☆☆☆ 

 監督/ロバート・レッドフォード

 出演/ジョン・タトゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ

 (1994年・米)

 
 1950年代にアメリカで人気があった、「21」というクイズ番組のスキャンダルを描いた話です。その番組ではハービー・ステンプルという男が無敵の強さで毎週チャンピオンの座を守り続けていました。しかし視聴率が伸び悩んでいたため、スポンサーはチャンピオンを変えろと製作陣に指示します。そして新たなチャンピオンとして、コロンビア大学の講師で家柄も良く、顔もハンサムなチャーリー・ヴァン・ドーレンが選ばれます。「21」のプロデューサーのダン・エンライトは、ハービーには別の番組への出演をちらつかせて答えをわざと間違えるように仕向け、チャーリーにはオーディションの際に本番の問題を出すという八百長を仕組みます。チャーリーは仕組まれた勝利に気がつき最初は戸惑いますが、お金と名声を得ることによって次第に感覚が麻痺し、我を忘れていきます。

 実話を基にしているからなのか、単調なリズムの地味な映画で、盛り上がりに欠けることは否めません。テレビがしょせん虚構の世界というのはほとんどの人がすでに分かっていることですし、やらせが明るみになった時のテレビ局の対応もいかにも現実的で何の驚きもありません。まあ、「発掘!あるある大事典」に感化されて納豆をたくさん食べてダイエットしようと思った人には、何らかの教育効果はあるかもしれませんけど。

 それに、ラストの映像から考えて、監督がこの映画で一番訴えたかったことというのは「大衆は何も変わらない」ということでしょうけど、大衆の娯楽がテレビだけという時代はすでに終わっていますからね。テーマとしてはちょっと弱いと思いますよ。

 しかし、悪い映画ではないんですよ。「21」がやらせであることは最初から明かされているのでサスペンス的な面白みはないんですが、それぞれの登場人物の心の動きを非常に丹念に描いている、非常に見ごたえのある人間ドラマです。

 こういう人間ドラマは役者の演技が非常に重要なのですが、その点は文句なしですね。新しいチャンピオン役のレイフ・ファインズは、見かけはいつもニコニコしていて育ちの良さそうなインテリなんですが、やましいことを裏でしてそうな薄汚れたエリートの雰囲気も同時に漂わせていて、見事な演技だと思います。旧チャンピオンを演じたジョン・タトゥーロの役作りも見事です。普段パッとしない人間でもいったん注目を浴び大金を稼ぐとここまで勘違いするんだなあとつくづく思いましたね。見ててかなり不愉快なキャラでした。演者としては大成功だと思います。

 しかし、この2人は実績のある役者だし演技が上手いのはみんな分かっているので、ある意味調査官役のロブ・モローが頑張ったからこそこの作品は良くなったと思いますよ。この映画で初めて見たんですが、自分の能力に自信を持ち決して信念を曲げない、優秀な調査官を見事に演じていました。もうちょっと痩せていたらなお良かったんですけどね。 

 この映画の点数は★6です。同じマジメ系の映画で比べると、僕は「ホテル・ルワンダ」よりこちらの映画の方が断然面白かったですね。これは監督の力量の差だと思います。

 そういえば日本も素人参加のクイズ番組はひところに比べて少なくなりましたね。大学のクイズ研究会などに所属し、知識だけでなくボタンの早い押し方も研究している、いわゆるクイズマニアが出てきてからだと思います。あいつらはこの映画に登場するハービーみたいなもんですね。しかしあいつらばっかり勝ってたということは、日本の素人参加クイズ番組はアメリカより健全なのでしょう。





<クイズ・ショウ 解説>

 '50年代後半、アメリカ全土を衝撃の渦に叩き込んだ実話の映画化。1956年、アメリカ中が熱狂し、社会現象にまでなっていたテレビのクイズ番組“21(トゥエンティ・ワン)”。コロンビア大学の講師チャールズ・ヴァン・ドーレンは、そんなクイズ番組が生んだ最大のスターだった。彼は“21”で無敵を誇ったハービー・ステンペルを打ち破った名門出の若くハンサムなクイズ王として、タイムやライフの表紙を飾り、一躍TV界の人気者となってゆく……。

レディ・イン・ザ・ウォーター

脚本の出来は悪いが、監督の個性は感じられる映画

c100735411_l.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/M・ナイト・シャマラン

 出演/ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、
     フレディ・ロドリゲス

 (2006年・米)

  アメリカ・フィラデルフィア郊外のアパートを舞台にした話です。このアパートの管理人であるクリーブランドは、ある夜、庭のプールの中で女性を発見します。クリーブランドは彼女を自室に連れ帰りますが、「ストーリー」という名前であること以外は彼女について何もわかりません。しかし、アパートに住む韓国人の女子大学生が語る東洋の伝説に、奇妙なほどの共通点を見つけます。

 大まかに言うとアパートの住人たちが妖精を元の世界に返そうとがんばる話なんですが、その鍵を握る重要なおとぎ話を知っているのはなぜかアパートに住む韓国人のオバハンなんです。僕にはただのヨタ話にしか聞こえないこのオバハンのおとぎ話では、ガーディアン(守護者)、シンボリスト(記号論者)、ヒーラー(治癒者)、ギルド(職人)とかいう意味不明な言葉がたくさん出てきます。この時点で僕はもうこの映画についてまじめに考えるのはよそうと決心したのですが、映画の登場人物達は、「シンボリストは誰?」「わかった!あの雑誌のパズルばっかり解いてるオッサンだ!」とか、名探偵コナンには遠く及ばない底の浅い推理で身近なアパートの住人をおとぎ話の設定に当てはめていきます。

 ストーリーが進めば進むほど、「シャマランはいったい何をやっているんだろう?」とこちらの不安やとまどいは増すばかりなのですが、穴だらけのストーリーはエンディングまでかなり強引に進んで行きます。そしてシャマラン監督といえば「アンブレイカブル」以降は無理やりこじつけているとしか思えなくなったラストのどんでん返しがウリですが、この映画はどんでん返しがあるにはあるんですが非常にあっさりしたもので、ラストは「あれ?終わり?」といった感じで意外なほどあっけなかったです。

 シャマランはこのつかみどころのない映画で何を言いたかったんでしょうか。様々な職業、人種のアパートの住人達がガーディアンだのシンボリストだのの役割を果たすところから考えると、世界をシャマラン流にアパートという小さなスケールで描いて、この世界で生きる1人1人の人間にはそれぞれ生きる意味があり、生きる価値の無い人間なんかは存在しないということですかね。または主人公のクリーブランドの過去から考えて、妖精との交流を通しての人間の再生でしょうか。これまたシャマラン流ですね。「サイン」や「ヴィレッジ」も同じようなテーマの作品ですから。まあこの映画を見ても何の感動もなかったですし、何の生きる励みにもならなかったので、別にどっちでもいいんですけど。

 ちなみにキャスティングでは、この映画でもシャマランの自分の映画に出るというスタイルは相変わらずでした。作品ごとにどんどん大きい役になっているのは気になるところですね。そろそろ周りの人が止めてあげないとダメです。あと妖精役の女優の足が太すぎるのも気になりました。水の妖精というからには、もうちょっと体のつくりが華奢な女優にしたらよかったんじゃないでしょうか。そしてクリーブランド役の人が変に演技が上手いんですよ。こんな映画でいい演技しても、たぶん何の評価もされないと思うんですけどね。

 というわけで本当にダメな映画なんですが、実は僕はシャマラン監督は大好きなんですよ。彼の作品は「シックス・センス」以降どんなに周りの評価が低くてもすべて見ています。前作「ヴィレッジ」までは映画館で見てましたからね。「アンブレイカブル」、「サイン」、「ヴィレッジ」と、最近の映画ははっきり言って出来は良くないんですが、揺るぎない自分の信念をしっかりと持っている監督だなと思います。今回の映画もシャマラン作品独特の匂いがプンプンしている作品です。どんどん公開規模が小さくなってきて、映画評論家にもボロクソ言われているけど、彼は相変わらず自分のスタイルを変えず、大衆受けしなさそうな異質な世界を小さいスケールで描いています。「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「スパイダーマン」なんかは絶対に撮れない監督ですよ。
 
 「ストーリー」という名前の妖精を窮地に陥れることになる映画評論家の言動などはかなり皮肉が効いているにも関わらず、実際この映画の脚本はグダグダでユルユルですからね。本当に変な監督ですよ。しかしまあこの映画はむちゃくちゃ甘く採点しても★3ですね。客観的に見たら、よくこんな脚本が映画化されたなあと思いますからね。





<レディ・イン・ザ・ウォーター 解説>

 
 アパートに突然現れた妖精のような娘と、彼女を救うために団結する住人たちを描いたファンタジードラマ。娘の正体を突き止め、奔走する管理人に『サイドウェイ』のポール・ジアマッティー、住人たちの運命を予言する謎の娘に『ヴィレッジ』のブライス・ダラス・ハワード。M.ナイト・シャマランが脚本・製作・監督を兼任し、現代のおとぎ話を独創的なアプローチで演出する。伏線を張り巡らせた巧妙なシャマラン式の脚本にうならされる。
 アパートの管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティー)は、トイレの修理、害虫の退治など日々雑事に明け暮れていた。そんなある日、何者かが毎夜アパートのプールで泳いでいることに気づいたクリーブランドは、ついにその正体を突き止めるが、それはストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る謎めいた娘だった。

3月の映画


ヤスオー・ムービー・ランキング(3月)

 1 ショーシャンクの空に
 2 エターナル・サンシャイン
 3 アモーレス・ペロス
 4 アメリ
 5 オープン・ユア・アイズ
 6 ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
 7 イン・ザ・プール
 8 県庁の星
 9 THE 有頂天ホテル
10 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト


 前回は邦画と洋画のバランスが良くて喜んでいたんですが、やっぱりあれはたまたまでしたね。おそらく今月のようなランキングがこれからも続くと思います。
 しかし意外とアメリカの映画は少ないんですよ。3位から6位まではアメリカ以外の国の映画ですしね。それに純粋なハリウッド大作といったら10位の作品ぐらいでしょう。僕もハリウッド嫌いの松本人志にまんざら嗜好が似ていないことはないですね。


ヤスオー・ムービー・アワード

◇作品賞ノミネート
「オープン・ユア・アイズ」
「ショーシャンクの空に」

◇監督賞ノミネート
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (アモーレス・ペロス)
ガイ・リッチー (ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ)

◇主演男優賞ノミネート
ジム・キャリー (エターナル・サンシャイン)
モーガン・フリーマン (ショーシャンクの空に)

◇主演女優賞ノミネート
オドレイ・トトゥ (アメリ)
ケイト・ウィンスレット (エターナル・サンシャイン)

◇助演男優賞ノミネート
イライジャ・ウッド (エターナル・サンシャイン)
バリー・ペッパー (メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬)

◇助演女優賞ノミネート
清 水 萌 々 子 (誰も知らない)
ソフィー・オコネドー (ホテル・ルワンダ)

◇脚本賞ノミネート
「アメリ」
「エターナル・サンシャイン」

 今回は監督部門で悩みましたね。「誰も知らない」の是枝裕和や、「油断大敵」の成島出など、日本人でもなかなかいい監督だなあと思う人はいましたから。今回は外人ばっかりなので、「空中庭園」の主演でがんばっていた小泉今日子も含めて入れたかったんですけど、ちょっと枠がありませんでした。
 逆に枠がありすぎて困ったのが助演女優部門です。パッとひらめいたのが1人もいませんでした。「誰も知らない」の清水萌々子なんかは完全に素の演技ですから、どちらかと言えばこの演技を引き出した是枝監督の方が偉いと思いますしね。

 



 

ディセント

中盤から予想外の展開に物語が進んでいき、怖いです。

r087720905L.jpg ★★★★★☆☆☆☆☆ 

 監督/ニール・マーシャル

 出演/シャウナ・マクドナルド、ナタリー・メンドーサ、
      アレックス・リード

 (2005年・英)

 主人公サラは、不幸な交通事故によって夫と娘を失いました。1年後、悲劇から立ち治ろうとしている彼女を励まそうとする友人から冒険旅行の誘いが来ます。参加メンバーは6人で、全員女性です。彼女達は洞窟を探検することにしました。最初は順調でしたが、やがて落盤に遭い、全員洞窟に閉じ込められてしまいます。

 僕が近所のビデオ屋でこの作品の存在に気づいてから、いつも行くたびに全部が貸し出し中という脅威の高回転率が2か月ぐらい続いていたため、そんなに人気があるならと思い借りてみました。結論から言うと、僕はそんなに気に入ったわけではないけども、目新しい所が多い映画なので、ホラー映画好きなら勉強のために見ておかなければならない映画だと思いますよ。

 この映画よりグロい映画や怖い映画はたくさんあると思うし、正統派ホラーとはほど遠い映画なんですが、この映画は変な怖さがあるんですよ。まず、舞台が洞窟なんですが、この映画の洞窟はそんじょそこらの洞窟ではなくロープや発煙筒などしっかりと装備を整えていかないと入れないぐらいの本格的なものです。薄暗い中で光がチラチラと漏れ、水の音だけがピチャピチャと聞こえてきて、リアルに怖いです。途中の身体がやっと入るぐらいのトンネルを通り抜けるシーンなんかは見てて本当に息が苦しくなるぐらいで、ある意味ここは映画全体の中で一番怖かったぐらいです。閉所恐怖所の人は100%見られない映像ですよ。

 また、登場人物が6人とそれなりに多いことから、まあ何人かは死亡要員だろうと予想しました。ストーリー的には、みんなで力を合わせて脱出しようとするんですが、途中何人かは命を落としてしまい、そのたびに残ったメンバーは涙にくれるんですが何とか力を振り絞って前に進み、結局主人公ともう1人ぐらいが命からがら脱出できて終わりだろうと展開を安易に考えていたんですが、中盤からはまったく予想外の展開に話が進んでいきましたね。ここからのストーリー展開は、かなり強引な部分はあるものの、本当に怖いです。

 何せ洞窟にいる変な地底人みたいなやつがかわいく見えるぐらいでしたから。こいつらは一応襲ってくるんですが、意外に弱いんです。勝手に住みかに入られて、女にボコボコにされて、ある意味かわいそうになってきます。まったく怖さは感じなかったですし、こいつらは別に出さなくても良かったんじゃないないかと思いましたね。この映画の怖さは別のところにありますから。

 たしかにこの映画はオープニングがちょっとキナくさかったので、本来ならここでどういう映画か気づかないとダメですね。それに登場人物が女ばっかり6人っておそ松くんじゃないんだからもうちょっと性別のバランスを考えろよとも思っていました。これらはすべて中盤からのストーリーのためだったんですね。この監督もなかなかやってくれますよ。

 しかしこの映画はてっきりハリウッド映画だと思っていたら、イギリスの映画だったんですね。監督もイギリス人でまったく名前も知らない人なんですが、この人は伸びると思いますよ。いずれハリウッドに進出するでしょうね。女優陣もみんな迫力のある演技をしていましたね。ただ、暗闇の洞窟が舞台で登場人物がみんなヘルメットを付けていたので、誰が誰だかわからなくなるところだけは何とかしてほしかったですね。

 点数はちょうど真ん中、★5とします。「ファイナル・ディスティネーション」が★3、ブログでは出てきてないんですが「スクリーム」が★1なのを考えると、この映画はそんなもんでしょう。この3つの作品に共通するところは斬新な発想と無茶な展開とB級映画の匂いです。そして、どの映画もスプラッター要素が強いです。僕は怖いのもけっこう苦手ですが血を見るのは本当にダメなので、どれも世間の評価より点数は低めです。

 




<ディセント 解説>

 
 ケイビング(洞窟探検)中に落盤事故で出口をふさがれた6人の女性たちが、謎の生物と死闘を繰り広げるサスペンス・ホラー。監督・脚本を『ドッグ・ソルジャー』のニール・マーシャルが手がけ、本作で英国インディペンデント映画賞最優秀監督賞を受賞した。『CODE46』のナタリー・メンドーサ、『マグダレンの祈り』のノラ=ジェーン・ヌーンらイギリスの実力派女優が出演。極限状況下で展開される地獄のサバイバルに最後まで目が離せない。
 年に一度の冒険旅行で、アパラチア山脈奥地の巨大洞窟を訪れた6人の女たち。スリリングな洞窟探検を楽しむ中、突然の落盤で出口をふさがれた一行は、迷路のような洞窟内で別の出口を探してさまよう羽目になる。言い争いから仲間割れが生じ、ヘッドランプの電力も残りわずかとなった矢先、暗闇から何者かが襲いかかってくる。
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