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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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ソウ3

このシリーズはいけない方向に進んでいっています。

c100755671_l.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/ダーレン・リン・バウズマン

 出演/トビン・ベル、ショウニー・スミス、アンガス・マクファーデン

 (2006年・米)

  
 ジェフは目覚めると箱の中に閉じこめられていました。そこにはテープレコーダーがあり、再生すると、ジェフに復讐の機会を与えるといった内容の声が流れてきました。復讐の相手とは、かつて彼が自分の息子を失ったひき逃げ事故に関係する人物達でした。同じ頃、ジグソウと同じ部屋にいる脳外科医のリンは、首に特殊な機械をはめられたうえで、脳腫瘍に冒されたジグソウを助けるよう告げられます。その機械はジグソウが死ぬと同時に爆発する仕掛けなのです。

 僕はこのシリーズは「1」、「2」、「3」と律儀に全部見てきましたが、「3」は格段に面白くないですね。何が原因なんでしょうか。僕がこのシリーズに飽きただけのか、脚本のレベルが下がったのか、おそらくその両方なんでしょう。このシリーズの点数を順に言うと、9、7、3といったところです。平均するとまだ6点を超えているので、「4」がもし公開されたらやはり見てしまうと思いますけど。

 おまけに「3」はとにかくグロいですからね。どうもこのシリーズはだんだんいけない方向に進んでいっていますね。続編が出るたびにグロさが増していっています。そういう映像を見たいからこのシリーズを見ている人はおそらく少数派だと思うんですけどね。みんな僕と同じように「1」の斬新なプロットと衝撃的なラストに感動したから「2」、「3」と見ているんだと思いますよ。

 「3」のラストは本当にしょうもないですからね。もちろん「1」、「2」と同じくラストにあっと驚く展開は用意されてるんですが、少なくとも僕のリアクションは「あっ!」ではなく「はいはい、わかったわかった。」でした。

 ジグソウも「2」までは悪役なりの魅力があったんですけど、この映画では全然ダメです。今回のゲームは「赦し」というテーマですから、いよいよ死が間近になってきたジグソウが何がやりたいかというのはだいたいわかるんですけど、ただの自分勝手なジジイに見えてムカついただけでした。このシリーズと同じくこいつ自身も自分を見失ってるんでしょう。

 「3」ではたくさん登場するアマンダも、ジグソウとは違って美学のない悪役という設定なのである程度悪く描かれるのはしょうがないですが、本当に何の魅力もないキャラクターです。他のキャラクターはまったく個性がないですしね。

 ただ、この映画は「1」や「2」の謎を明かしていくような作りになっていて、このシリーズを「1」、「2」、「3」と律儀に見てきた僕にとってそういうきっちりしたところはうれしいですね。たぶん「3」をいきなり見た人よりは断然この映画を楽しんだと思います。それでも点数は★3なんですけどね。

 しかし「2」の感想で僕はゴードン医師が「3」では重要キャラになると予想していたんですが、その予想は大ハズレでしたね。まあ、「4」こそは大活躍すると思います。





<ソウ3 解説>

  斬新なアイデアと巧みなストーリー展開が話題を呼び、世界的大ヒットを記録したサスペンス・スリラー『ソウ』シリーズ第3弾。密室に監禁された者たちが凄惨(せいさん)なゲームに翻ろうされ、究極の恐怖を体感する。シリーズを生み出したジェームズ・ワンと、リー・ワネルのコンビが原案と製作総指揮を務め、前作に引き続きダーレン・リン・バウズマンが監督を担当。想像を絶する恐ろしい死のゲームの行方や、ついに明かされるジグソウの謎と運命に注目。
 殺人現場に呼び出された女刑事ケリー(ディナ・メイヤー)は、鎖に繋がれ、爆弾で飛び散った死体を目撃する。死体が行方不明の同僚ではなかったことに彼女は胸をなでおろすが、ジグソウはもう動けないはずだったことから、誰の仕業なのか疑問を抱く。その夜、ケリーは何者かに拉致され、気がつくと地下室に監禁されていた。

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レディ・イン・ザ・ウォーター

脚本の出来は悪いが、監督の個性は感じられる映画

c100735411_l.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/M・ナイト・シャマラン

 出演/ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、
     フレディ・ロドリゲス

 (2006年・米)

  アメリカ・フィラデルフィア郊外のアパートを舞台にした話です。このアパートの管理人であるクリーブランドは、ある夜、庭のプールの中で女性を発見します。クリーブランドは彼女を自室に連れ帰りますが、「ストーリー」という名前であること以外は彼女について何もわかりません。しかし、アパートに住む韓国人の女子大学生が語る東洋の伝説に、奇妙なほどの共通点を見つけます。

 大まかに言うとアパートの住人たちが妖精を元の世界に返そうとがんばる話なんですが、その鍵を握る重要なおとぎ話を知っているのはなぜかアパートに住む韓国人のオバハンなんです。僕にはただのヨタ話にしか聞こえないこのオバハンのおとぎ話では、ガーディアン(守護者)、シンボリスト(記号論者)、ヒーラー(治癒者)、ギルド(職人)とかいう意味不明な言葉がたくさん出てきます。この時点で僕はもうこの映画についてまじめに考えるのはよそうと決心したのですが、映画の登場人物達は、「シンボリストは誰?」「わかった!あの雑誌のパズルばっかり解いてるオッサンだ!」とか、名探偵コナンには遠く及ばない底の浅い推理で身近なアパートの住人をおとぎ話の設定に当てはめていきます。

 ストーリーが進めば進むほど、「シャマランはいったい何をやっているんだろう?」とこちらの不安やとまどいは増すばかりなのですが、穴だらけのストーリーはエンディングまでかなり強引に進んで行きます。そしてシャマラン監督といえば「アンブレイカブル」以降は無理やりこじつけているとしか思えなくなったラストのどんでん返しがウリですが、この映画はどんでん返しがあるにはあるんですが非常にあっさりしたもので、ラストは「あれ?終わり?」といった感じで意外なほどあっけなかったです。

 シャマランはこのつかみどころのない映画で何を言いたかったんでしょうか。様々な職業、人種のアパートの住人達がガーディアンだのシンボリストだのの役割を果たすところから考えると、世界をシャマラン流にアパートという小さなスケールで描いて、この世界で生きる1人1人の人間にはそれぞれ生きる意味があり、生きる価値の無い人間なんかは存在しないということですかね。または主人公のクリーブランドの過去から考えて、妖精との交流を通しての人間の再生でしょうか。これまたシャマラン流ですね。「サイン」や「ヴィレッジ」も同じようなテーマの作品ですから。まあこの映画を見ても何の感動もなかったですし、何の生きる励みにもならなかったので、別にどっちでもいいんですけど。

 ちなみにキャスティングでは、この映画でもシャマランの自分の映画に出るというスタイルは相変わらずでした。作品ごとにどんどん大きい役になっているのは気になるところですね。そろそろ周りの人が止めてあげないとダメです。あと妖精役の女優の足が太すぎるのも気になりました。水の妖精というからには、もうちょっと体のつくりが華奢な女優にしたらよかったんじゃないでしょうか。そしてクリーブランド役の人が変に演技が上手いんですよ。こんな映画でいい演技しても、たぶん何の評価もされないと思うんですけどね。

 というわけで本当にダメな映画なんですが、実は僕はシャマラン監督は大好きなんですよ。彼の作品は「シックス・センス」以降どんなに周りの評価が低くてもすべて見ています。前作「ヴィレッジ」までは映画館で見てましたからね。「アンブレイカブル」、「サイン」、「ヴィレッジ」と、最近の映画ははっきり言って出来は良くないんですが、揺るぎない自分の信念をしっかりと持っている監督だなと思います。今回の映画もシャマラン作品独特の匂いがプンプンしている作品です。どんどん公開規模が小さくなってきて、映画評論家にもボロクソ言われているけど、彼は相変わらず自分のスタイルを変えず、大衆受けしなさそうな異質な世界を小さいスケールで描いています。「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「スパイダーマン」なんかは絶対に撮れない監督ですよ。
 
 「ストーリー」という名前の妖精を窮地に陥れることになる映画評論家の言動などはかなり皮肉が効いているにも関わらず、実際この映画の脚本はグダグダでユルユルですからね。本当に変な監督ですよ。しかしまあこの映画はむちゃくちゃ甘く採点しても★3ですね。客観的に見たら、よくこんな脚本が映画化されたなあと思いますからね。





<レディ・イン・ザ・ウォーター 解説>

 
 アパートに突然現れた妖精のような娘と、彼女を救うために団結する住人たちを描いたファンタジードラマ。娘の正体を突き止め、奔走する管理人に『サイドウェイ』のポール・ジアマッティー、住人たちの運命を予言する謎の娘に『ヴィレッジ』のブライス・ダラス・ハワード。M.ナイト・シャマランが脚本・製作・監督を兼任し、現代のおとぎ話を独創的なアプローチで演出する。伏線を張り巡らせた巧妙なシャマラン式の脚本にうならされる。
 アパートの管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティー)は、トイレの修理、害虫の退治など日々雑事に明け暮れていた。そんなある日、何者かが毎夜アパートのプールで泳いでいることに気づいたクリーブランドは、ついにその正体を突き止めるが、それはストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る謎めいた娘だった。

マインドハンター

僕は120%ヴァル・キルマーが犯人だと思っていました。

c100652331_l.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/レニー・ハーリン

 出演/LL・クール・J、ジョニー・リー・ミラー、キャスリン・モリス

 (2004年・米)

 
 FBIの研修生達が、訓練場である無人島に最終試験のためにやって来ました。 教官であるハリスは数日後にまた戻ると言い残し、7人の研修生だけを残し島から去って行きました。しかし、ハリスによる擬似的なものだと思われた殺人は、1人の研修生の思いがけない死によって現実の恐怖へと変わっていきます。研修生達はお互いに疑心暗鬼になりながら、犯人を突き止めようとします。

 テンポはわりといいので、普通に見れる映画です。ただ、期待していたものとはまったく違っていましたね。僕は練りこまれた脚本のスタイリッシュなサスペンスを期待していたんですけどね。B級映画の匂いが漂っていますよ。レベル的には「金田一の事件簿」とか「探偵学園Q」の無人島の話ぐらいじゃないでしょうか。

 主人公達はFBIの研修生なのですが、どう考えても頭が良いようには見えない、単純で分かりやすい性格の人達です。どうひいき目に見てもこの人たちが将来FBIの心理分析官になれるとは思えません。実際に映画の中でも犯人にいいようにやられています。こんなストーリーなんだったら、こいつらが心理分析官の卵という設定は特に必要なかったんじゃないでしょうか。たまに思い出したかのようにそんな話も出てきますが、実際に主人公達と犯人の心理戦のようなものはまったくありませんし。

 この映画はビデオ屋では結構回転率が良く、けっこう借りづらかったんですが、みんな僕と同じようにだまされたんでしょうね。あまり期待しないで見たらもっと楽しめたのかもしれないですけど。「ダイハード2」や「クリフハンガー」などの派手なアクション映画ばかり撮っているこの監督にしたら、これぐらいが限界だったんでしょう。というか「クリフハンガー」なんてかなり面白くなかったし、もしかするとこの監督にしたら上出来の映画なのかもしれません。

 ちなみにこの映画には僕の好きなヴァル・キルマーが出ているんですが、はっきり言って彼の扱いはひどいです。もう1人の大物俳優クリスチャン・スレーターの扱いもひどくて、若手俳優ばっかり活躍しています。こういう犯人探しの映画はそこそこ名が売れている俳優がたいてい犯人なので、その点だけで言うとこの映画は意外性のある良い映画だと言えます。僕は120%ヴァル・キルマーが犯人だと思っていましたし。

 しかし、実際に犯人がわかっても、特に何とも思わないんですよ。終盤で犯人の行動理由が突如明かされますが、「ふ~ん。」としか言いようがないです。この映画は殺し方に罠のようなものを多用しており、グロいシーンも多いので、その点では僕が好きな「ソウ」という映画に非常に似ているのですが、犯人がわかったときの驚き、犯人のキャラクターの魅力、それまでのストーリーでの伏線の張り方の巧さなど、どれをとっても「ソウ」の10分の1ぐらいですね。

 それに、せっかく若手俳優達がいい役をもらっているのに、演技の光る役者が1人もいなかったのが残念ですね。犯人役の俳優は犯人だとわかった後も怖さを感じさせなかったのでそれはそれでダメなことだと思うし、主人公っぽい女優は普通に演技が下手でした。

 だからこの映画は総合的に見て決して面白い映画ではなかったんですが、見てて退屈ではないし、ヒマつぶしにはもってこいの映画なので、★3ぐらいにしときます。せめて最後にどんでん返しのようなものがあればもっと良かったんですけどね。





<マインドハンター 解説>

 
 FBIの訓練生が実際の殺人事件に巻き込まれるという、『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン監督が仕掛けた危険な心理ゲーム。教官役に『アレキサンダー』のヴァル・キルマー。『ブロークン・アロー』のクリスチャン・スレイターや、『マイノリティ・リポート』のキャサリン・モリスらが果敢に犯人に立ち向かう心理分析官の卵を熱演する。孤立した島で仲間同士が互いの腹を探りあい、極限状態に追い込まれる様子はまるで悪夢。1人また1人と減っていく人数に怯えながら最後まで犯人探しにほんろうされる一本。
 FBIの心理分析官を目指す優秀な訓練生7人。彼らに教官(ヴァル・キルマー)は無人島での最終試験を用意した。だが殺人事件は本物で、JD(クリスチャン・スレイター)やサラ(キャサリン・モリス)らは犯人を探し始める。  
 

真実の行方

エドワード・ノートンが好きか嫌いかで評価が変わる映画

r081103465L.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/グレゴリー・ホブリット

 出演/リチャード・ギア、ローラ・リニー、ジョン・マホーニー 

 (1996年・米)



 
 
真冬のシカゴで起きた大司教惨殺事件。犯人として逮捕されたのは、現場から血まみれで逃走した彼の侍者、アーロンでした。マスコミに注目され華々しく活躍する主人公の弁護士マーティンは、事件の話題性から売名を考え、彼の弁護を無償で引き受けることにします。アーロンにとって大司教は路頭に迷っていた彼を拾ってくれた父親同然の人なのですが、マーティンは、アーロンが大司教に性行為を強要されていたことを知ります。そのことを自分に話してくれなかったアーロンをマーティンが責め立てると、アーロンの様子は急変、マーティンに襲いかかってきます。そんな時、アーロンの精神分析を担当していた女医から、彼が二重人格という鑑定結果が出ます。

 話はそれなりに面白いです。途中は、「また二重人格ものかよ。もうエエで。」と思っていましたが、ラストに近づいたところで突然すごい展開になりました。これはびっくりしましたね。まったく予想していませんでした。タイトルだけ見ると手堅い作りの映画っぽいんですが、決してそうではありません。

 しかしこの映画のタイトルはダメですね。ジョディ・フォスターの「告発の行方」にそっくりですし。もうちょっと手にとってみたくなるようなタイトルにしてほしいです。内容とタイトルはこれ以上ないぐらい合っているんですけどね。

 そもそもこの映画は真実が何なのかをはっきりとさせていませんから。驚かされたラストも、違った解釈をしようと思えば出来ます。登場人物の善悪も結局分からないままですね。ラストの展開で度肝を抜かれて頭が働かなくなりましたが、後からよく考えたらなかなか奥の深い映画です。

 あと、酔っぱらった主人公のマーティンがバーで記者に言ったことを考えると、彼が以後どういう人生を歩んだのかということもすごく気になりますね。

 そういうわけでこの映画は、それなりによく出来ていると思うので、普通に考えたら採点は★6か7ぐらいだと思います。僕は法廷ものを見るといつも中盤ダルくなるのですが、この映画はそういうことはなかったですし、テンポもいいんでしょう。 

 しかし実際の僕の評価は★3です。この大きなマイナスは単純に僕の好き嫌いで、たしか「ファイト・クラブ」の時にも言いましたが、アーロン役のエドワード・ノートンが好きじゃないからです。彼はこの映画ではかなりおいしい役をもらっていますから、この映画の評価はエドワード・ノートンが好きか嫌いかでかなり左右されると思いますよ。

 クレジットの順番から考えて、こんなにいい役をもらっているとは思いませんでしたからね。演技力が評価されやすい、俳優としての地位を格段に上げることのできる役柄です。そんで実際に評価され、今の位置にいるんでしょう。しかし僕はこの人の過剰な演技は好きになれないですね。





<真実の行方 解説>

  大司教惨殺事件で逮捕されたのは、彼の侍者のアーロンという青年だった。売名家と呼ばれている弁護士マーティンは、事件の話題性から無償での弁護を申し出た。あどけないアーロンの表情を使ったマーティンの作戦も、明らかにされていく宅地開発に絡む大司教への恨みや“悪魔払い”の名のもとにビデオに収められた醜聞も、元恋人の検事ジャネットによって次々と提出される物的証拠の前にはなす術が無かった。そんな時、アーロンの精神分析を担当したアーリントン女医がつかんだ事実とは……。

 

穴/HOLES

児童文学が原作なだけあって、大人が見たら物足りない。

r167137491L.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/アンドリュー・デイヴィス

 出演/シガニー・ウィーバー、ジョン・ヴォイト、シア・ラブーフ

 (2003年・米)

 

  主人公のスタンリーがある日道を歩いていると、空からスニーカーが降ってきました。運悪くその靴が盗品だったため、それを履いて歩いていたスタンリーは靴泥棒の罪で補導されます。スタンリーの祖父によると、スタンリーの家系はばかな先祖のせいで呪われた家系となり、子孫はツイてないことばかり起こるのです。そしてスタンリーは砂漠の中にある少年の更生施設、キャンプ・グリーン・レイクに送られます。そこに収容されている少年達は鬼所長の方針で、炎天下の中毎日1人ひとつの穴を掘らされるのです。その方針の裏には、所長の別の狙いがありました。

 う~ん。面白くないわけではないんですけどね。過去と現在に張り巡らされた伏線が、ラストに近づくにつれてすべて繋がっていって、最後は一本の線になるという、なかなかストーリー構成の巧みな映画です。しかし、本筋のストーリーがバカバカしいですからね。やはり児童文学が原作なだけあって、基本的にはファミリー向けの映画なんでしょうね。僕みたいな大人が1人で見てもどうにも物足りないです

 登場人物も漫画に出てくるようなベタな人間ばっかりですしね。その中には悪役も登場するんですが、まったく憎めない奴ばかりです。ストーリー展開もディズニー映画お約束のハッピーエンドに向けて、何もかもが主人公の都合のいいように進みます。

 ちなみにこの映画は日本では劇場未公開の作品だそうですが、その理由も分かる気がします。同じディズニー映画でも「パイレーツ・オブ・カリビアン」なんかは派手なアクションシーンがたっぷりですが、この映画は砂漠で穴掘っているだけのシーンがけっこう多く、もちろん派手なアクションシーンなんかは皆無ですし、全体的に地味な映画ですから。ファミリー向けの映画ですが、僕が子どもだった時に親にこんな地味な映画に連れて行かれたら、休日損したと思うでしょうね。それが「パイレーツ・オブ・カリビアン」だったら、どっかのテーマパークに遊びに行ったような気分になり、かなり満足すると思います。

 しかし、数々の伏線の中には、大人が見ても本当に感心するものもあります。例えば、収容所を逃げ出したスタンリーとゼロが岩山の頂上を目指す途上で、脱水状態でフラフラになったゼロをスタンリーがおぶってあげるところなんかはすごくいいですよ。これは友情から出たごく自然な行為に見えますが、実は物語のかなり重要なプロットですからね。

 あと、スタンリーは脱走するときに、なぜか重たいスコップを持ってるんですが、これは勢いで持ってきたように見えて後々かなり役に立ちます。こういうつまらないこともきちんと後の展開に絡ませるところはなかなか面白いですね。

 この映画の点数は★3ですね。テーマも「運命は自分で切り開くもの」といった感じの冒険物の漫画でありがちなベタなものですし、大人は特に見ても見なくてもいい映画だと思いますが、決して出来は悪くないので、しょうもないくせに小難しいストーリーの映画を見るよりはこの映画を見た方がいいです。ただ、一番この映画を見て楽しめるのは、注意深い子どもでしょうね。けっこう伏線が多い映画なので、見落とすと映画の面白さが半減しますから、落ち着きのない子どもはダメです。

 ジョン・ヴォイトとシガニー・ウィーバ-はよくこんな映画に出ましたね。こういう映画は演技が評価されにくいですからね。まあ2人とも面白かったしいい味出していましたけど。特にジョン・ヴォイトは娘があんなに大活躍していますから、負けずにがんばってほしいですね。

 




<穴/HOLES 解説>

 先祖のおじいちゃんがヘマをしたせいで、呪いをかけられ、不幸の家系になってしまったと信じる少年スタンリー。彼はある日、運悪く無実の罪で捕まってしまう。そして、自分の潔白を証明することをあっさり諦め、少年矯正施設行きを受け入れる。しかし、そこは想像を絶する過酷なところだった。砂漠のど真ん中に建つその施設では、恐ろしい女所長が恐怖支配を行い、“人格形成のため”と称して、来る日も来る日も少年たちに大きな穴を掘らせていた。だがその“穴掘り”には、ある別の大きな企みがあったのだった…。ルイス・サッカーの傑作児童文学を豪華キャストで映画化した日本劇場未公開の痛快ファミリー・アドベンチャー。

 

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