どっちかといえば松本人志が好きな人。
ニライカナイからの手紙
蒼井優のプロモーションビデオとしてはいい映画です。
監督/熊澤尚人
出演/蒼井優、平良進、南果歩
(2005年・日)
この映画は、幼いころ母親と別れ、沖縄の竹富島で祖父と暮らす女の子が主人公の話です。毎年主人公の誕生日には、母親から消印が東京の手紙が届きます。そして高校を卒業した彼女は、写真の勉強をするため祖父の反対を押し切って上京し、カメラマンの助手となります。忙しい日々を過ごすうち、やがて20歳の誕生日を迎えます。その日は、すべてを説明するとかつて母親の手紙に書かれていた約束の日だったのです。
この映画はオープニングで「ニライカナイ」についての伝説の説明があるので、話の結末はだいたい予想がつきます。そして中盤も特にこれといった事件もなく、静かな展開なので、見ててちょっと眠かったですね。
僕は、主人公の風希が不良になって、転落人生を歩んでくれたら面白いと思ったんですけどね。それだとラストはもっと感動的になるかもしれない。しかしこの映画では母親の期待通りの素直な良い子に育ってます。
竹富島の人も主人公と同じくいい人ばっかりですね。逆に東京の人々はクールに描かれています。実際はここまで極端ではないと思うんですけどね。僕は過去に東京で半年ぐらい暮らしていましたが、向こうで知り合った奴らは、みんなおっとりしてたし感情も豊かでしたし、いい奴らですよ。田舎の人を美化しすぎてる表現はちょっと気になります。
また、ラストも、ちょっとしつこい感じがしました。主人公が夕暮れの海岸でぼたぼたと涙を流しながら、今まで毎年届いていた母親の手紙を読み返しているシーンが延々と続くんですが、とにかくくどくて長いです。ここまでされると、監督が観客をぜひとも泣かせたがっているのが見てとれて、逆に感動できないですね。
同じ沖縄の風景を描いた映画だったら、ちょっと前に見た「深呼吸の必要」の方が良かったですね。風景の美しさは甲乙つけ難いんですけど、あちらの映画の方がストーリーも演出もあっさりしていて、どことなく爽やかな感じがするので、癒し効果は高いと思います。
しかしこの監督が、「俺はこの作品を主演の蒼井優のプロモーションビデオとして撮ったんだ。」と主張するならば、この監督は優れた監督だと思います。全編を通して蒼井優のアップのシーンが多いですが、けっこうきれいに撮れてると思いますよ。ファンの人から見たらこの作品は蒼井優の魅力が伝わってきて文句なしの出来だと思います。
しかし、僕はこの女優はそんなに好きではないので何とも思いませんでした。僕がこの映画を採点すると★0になります。
<ニライカナイからの手紙 解説>
スペイン映画祭など国際映画祭で話題を集めた『Tokyo Noir』の熊澤尚人監督が蒼井優主演で描く3世代に渡る家族愛の物語。共演は『せんせい』の南果歩のほかテレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の前田吟など実力派ぞろい。舞台となる沖縄の竹富島の静かで美しい風景に心癒される。