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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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松本人志と映画が好きな人。
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雲のむこう、約束の場所

この監督にはこういうSFチックな映画は向いていない。

r081998412L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/新海誠

 声の出演/吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香

           (2004年・日)

 戦後、日本は南北に分断され、藤沢ヒロキと白川タクヤは米軍統治下の青森で暮らしていました。ユニオン占領下の北海道には、謎の巨大な塔が建っていました。ヒロキとタクヤはいつかこの塔まで飛んでいこうと、2人で飛行機を組み立てていました。

 この映画も新海誠という監督が前作の「ほしのこえ」と同じく、原作・脚本・監督・撮影・美術といろいろがんばっています。たしかこの監督の前作の「ほしのこえ」は、ほとんど1人で映画を作ったということに意味があるということで、ストーリーがイマイチでも僕はこのブログで★4をつけたと思います。しかし今回は1人で作ったということにあまり意味はないです。「ほしのこえ」がそこそこヒットして名声を得て、間違いなく製作費は前作より増えていると思いますからね。吉岡秀隆や萩原聖人を声優に使っているぐらいですし。この段階で色々な仕事を1人で頑張っても、ただのナルシストにしか見えません。どんな仕事でもそうですが、「他人を信頼して仕事を任せる」ということも大事なことですからね。

 映画の雰囲気は前作とそんなに変わっていません。相変わらず登場人物は少ないですし、おそろしく小さな世界での出来事のように見えます。前作と違って今回の映画は背景となる世界自体もそれなりに描こうとしているのはわかるし、登場人物も多少は増えているんですが、主人公達は過去の自分達の美しい思い出にひたっていばかりで、まったく現実世界に溶け込んでいません。いつまでも思春期の少年少女のような彼らと、世界の終わりがどうたらこうたらというSFチックな世界がどうにも結びついてこないです。

 見てるこっちは中高一貫の男子校におって爽やかな青春時代の思い出などまるでない30の仕事に疲れたオッサンですからね。そりゃきついですよ。「もうええでそんなん、おまえはいつまで子どもやねん。いいかげん現実を見つめろ!」とずっと怒っていましたね。背景となる世界観やストーリー展開のリアリティのなさはつっこむつもりはありませんが、こんなジュブナイル小説の登場人物のようなキャラクターだけは許せなかったですね。

 ヒロインも前作の「ほしのこえ」と同じく、心に汚い部分のまったくない、男から見たらまさに理想の女性です。ちょっとオタクっぽい映画に出てくる女の子はこうでないといけないという暗黙のルールがあるのでしょうか。もちろんそういう男寄りの女性の描き方を完全に否定するわけではないですが、そんな女の子が出てくる映画は万人に受け入れる作品には決してなりえないですね。たぶん女が見たら怒ると思いますから。

 新海誠が才能がないわけではないんですよ。今回の映画もSFチックな設定でなく本当に日常生活の小さな一コマを描いただけだったら、僕の評価ももっと上がっていたと思います。「ほしのこえ」のDVDに入っていた「彼女と彼女の猫」という作品は僕の中では評価が高いですし。この人の作品は叙情性が高く見てて非常に爽やかな気分になります。そこに良さがあるのですから、戦争だの世界の終わりだの軍隊だのといった題材とは相容れないと思います。

 絵は相変わらず美しいです。田舎の駅や草原のカットは本当に素晴らしかった。ただ、飛行機が飛ぶシーンとかの迫力はまるでなかったですね。「あれ、もう飛んだんや。」といった感じです。一般的なSFアドベンチャーだったらここが一番ストーリー的にも画的にも盛り上がるところなんですけどね。本当にこの人はこういう話に向いていません。

 点数は★2とします。★4、★2とこの監督の映画の点数は僕のブログでは低迷気味ですが、僕はまだまだこの人を見捨ててはいません。違った題材の映画を撮るならばまた見ると思います。





<雲の向こう、約束の場所 解説>

 フルデジタル作品『ほしのこえ』でデビューし、国内外から高い評価を得た新海誠監督が前作同様、原作・脚本・監督・撮影・美術を自らが手がけたアニメーション。日本が南北に分断され、青森が米軍の統治下に置かれるという設定で展開される青春物語。声優陣は吉岡秀隆をはじめ「冬のソナタ」でぺ・ヨンジュンの声を担当した萩原聖人など演技派ぞろい。空間の広がりを感じるアニメーションとオリジナリティあふれる設定に注目。

日本は戦争により南北に分断されていた。米軍の統治下にあった青森に住む藤沢ヒロキと白川タクヤには夢があった。それは津軽海峡を走る国境線の先にある巨大な塔まで、小型飛行機で飛ぶことだった。そんなある日、2人のあこがれていた沢渡サユリが突然転校することに……。
 

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ブレイブ ストーリー

主人公達の安い絆と最後のワタルの決断が結びつかない

r082099640L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/千明孝一

 声の出演/松たか子、大泉洋、常磐貴子

 (2006年・日)

  
 主人公のワタルは一般家庭に生まれた平凡な少年ですが、ある日、父親が家を出て行き、母親はそのショックで倒れてしまいます。自分の不幸な運命が嫌になったワタルは、運命を変えるため、異世界への扉を開きます。同じようにその扉を開いた少年がもう1人います。それは転校生のミツルでした。

 この映画がダメな映画であることは言うまでもないと思います。こんな典型的なハズレ映画に当たって時間をムダにして、僕が運命の扉を開けたいぐらいです。ジブリの映画でよくあるような幻想世界の話ですね。フジテレビの人たちはこの映画の原作を見つけて、「よしこれだ!これならジブリ並みに当たるだろう!」と思ったんでしょう。そういう思いだけはひしひしと伝わってきます。

 予期せぬ出会いと不思議な世界というのはストーリーを描くうえではかっこうの題材ですが、この映画を作った人たちには物語をはぐくもうという気はまるでないんでしょう。この映画のプロデューサーである亀山千広の育ったテレビの世界は数字とってナンボですからね。こんなに作品として成り立っていない映画でも、宣伝をバカスカやって客さえ入ればそれでいいと思ったから世に出したのでしょう。あからさまに客寄せな声優陣の顔ぶれと、主人公のワタルよりも絵的にも人物的にも丁寧に描かれているミツルという美少年キャラがその証拠です。

 物語として成立していないので、きちんと最初から見てもラストのワタルの決断はまるっきり理解できませんでした。「何やお前現世の自分の運命があまりにも過酷すぎて耐えられへんからこの世界に来たんちゃうんかい。何でそないなこと言うねん。ただ単にきれいなラストにして見てる俺らを感動させたいだけかい。お前はこの映画のプロデューサーか!」とちょっとブチ切れたぐらいです。

 ワタルが「幻世」をむちゃくちゃにして自分だけ幸せになる結末だったら僕はこの映画に★6はつけるんですけどね。登場人物たちの心のつながりや主人公の精神的な成長がほとんど描かれていないんですから、その結末が自然でしょう。唯一描かれているっぽいところが途中挿入歌が流れるシーンですが、しょせん歌一曲分の尺です。この映画の主人公達はかなり薄っぺらい絆でつながっていますね。

 彼らが一応は絆を深めているような絵が紙芝居のように続けざまに出てきますが、こんな予告編みたいなのを見せられてもげんなりするだけです。挿入歌も気が抜けるような歌ですからね。「Aqua Timez」という「19」と「175Rを足して2で割ったようなバンドの歌ですが、純粋に歌が下手だし、歌詞も中学生にはギリギリ通用するかなというレベルです。

 まあ、「他人を犠牲にしてまで自分の欲しいものを手に入れてはならない」ということを子どもに教えるのには多少は効果があるんじゃないでしょうか。僕も勇者の剣にはめる5つの宝石をワタルが簡単に集めるさまを見ていて、ここまで順調に物事が運ぶ人間だったら他人を犠牲にしてはいけないなあ、と思いました。 

 この映画の点数は★2ぐらいですかね。さすが日本のアニメの絵のレベルはすごいです。こんな最低なストーリーの映画でも僕が★2もつけるぐらいですから。実写映画だったら間違いなく★0です。





<ブレイブ  ストーリー 解説>


 宮部みゆきのベストセラー小説をアニメ映画化した冒険ファンタジー。不幸のどん底に突き落とされた少年ワタルが、運命を変えるために飛び込んだ異世界での冒険を描く。TVシリーズ『青の6号』などで知られる日本最先端の映像制作スタジオ、GONZOが映像を手掛ける。主人公・ワタルの声を務めるのは女優・松たか子。そのほか、大泉洋、常盤貴子といった豪華な顔ぶれが声優として参加している。広大なファンタジーの世界と、ストーリーに内包される普遍的なメッセージが心を引く。
 どこにでもいる平凡な小学5年生のワタルは、父親の家出と母親の自殺未遂を機に不幸のどん底に突き落とされてしまう。あまりにもつらい自分の運命を変えたい気持ちに駆られたワタルは、転校生のミツルに教えてもらった“運命を変える扉”を開け、ありとあらゆる冒険が待つ幻界へ飛び込むが……。 

 

リクルート

話も面白くないし、ラストもイマイチのサスペンスです。


r081911675L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/ロジャー・ドナルドソン

 出演/アル・パチーノ、コリン・ファレル、ブリジット・モイナハン

 (2003年・米)



 名門マサチューセッツ工科大学である主人公ジェームズは、「スパルタカス」と名づけられたプログラムの開発によりコンピューター業界から勧誘されるぐらいの優秀な学生です。しかし彼は、CIAの教官を名乗るバークという男にリクルートされます。彼は自分の父親がCIA関係の人間ではないかと疑問を抱いていたこともあり、CIAに入ることを決めます。特別施設に集められたジェームズを始めとした訓練生達は過酷な訓練を続けますが、ある日ジェームズはバークの仕組んだ拷問に屈したため訓練生をクビになります

 全然面白くなかったですね。ストーリーが二転三転してラストにはどんでん返しらしきものもあるらしいので、僕好みの映画なと思ってビデオ屋で借りたんですが、このラストはイマイチでしたね。少なくとも黒幕が誰かというのはアホでも分かりますし、それまでの流れをぶった切っていて、いかにもとってつけたような感じのオチですからね。

 無理やりどんでん返しを作らなくてもいいと思うんですよ。そりゃ「ユージュアル・サスペクツ」みたいなサスペンス映画にしたかったんでしょうけど、あの映画は出演者の演技、脚本、構成、演出すべてが唸るほどの出来だし、あんなレベルの映画はなかなか出来ないんだから、師弟の絆を描いた人間ドラマの要素も半分ぐらい入ったストーリーにすればよかったと思うんですけどね。この映画は100%のサスペンスにするつもりで、結局何が言いたいんだかわからなくなっています。

 まあ、オチが読めてもストーリーが面白ければそれなりにいいんですけど、この映画はそっちもダメですからね。この監督は監督の話の盛り上げ方が下手なんでしょう。僕の緊張感が持続したのはジェームズが訓練生をクビになるところぐらいまででしたから。ここが良かったなあという場面が特に思い浮かびませんし、たぶんこの映画は1か月ぐらいしたら内容をすっかり忘れてしまうでしょう。 

 アル・パチーノとコリン・ファレルが出ているので、この2人が演じるジェームズとバークを中心に話が進んでいくんですが、もうちょっと他のキャラクターに個性を持たせたらこの映画はもっと面白くなっていたと思いますよ。ジェームズとバーク、それにジェームズとちょっといい仲になるレイラという訓練生以外のキャラクターは、見てからほとんど時間が経っていないのに名前すら出てこないですからね。訓練生なんてたくさん出ていたんですけど、みんな何の個性もなかったです。

 ジェームズの父親も何か謎がありそうなことを最初から匂わせてるわりには、終わってみれば全然大したことなかったですからね。これももうちょっと話を膨らましたら映画を面白くさせる1つの要素になったと思うんですけどね。この映画の監督はアル・パチーノとコリン・ファレルに気を遣い過ぎています。もうちょっと他の人にもスポットを当ててほしかったですね。

 実際アル・パチーノとコリン・ファレルの演技は上手だったんですけどね。アル・パチーノはもう大ベテランだし言わずもがなですが、コリン・ファレルも追い詰められる若者の雰囲気が漂っていたし、なかなかいい演技をしていると思います。この人は僕は「マイノリティ・リポート」で注目したのですが、すごく器用な人だと思いますよ。すっかり売れっ子になっていろんな映画に出ているので、飽きられやしないかいうことが心配ですが。

 この2人の演技がダメだったらこの映画の点数は★0でしたが、それはなかったので★2とします。これを見るぐらいだったら「ユージュアル・サスペクツ」をもう1回見た方がよかったですね。
  
  




<リクルート 解説>

 マサチューセッツ工科大学の学生ジェイムズ・クレイトン。彼はその優秀な成績から、卒業後の進路もPCメーカーから特別に誘いを受けるなどエリート街道を約束されていた。そんなジェイムズはある日、アルバイト先のバーでウォルター・バークという男に出会う。彼はCIAのベテラン教官でリクルート担当者。バークはジェイムズに関する情報を全て調べ上げたうえ、その能力を見込んで採用するために訪れてきたのだった。ジェイムズは悩んだ挙げ句、就職先をCIAに絞り、採用試験をクリア、晴れて訓練生となるのだが…。

シュレック

オリジナルへの愛情が感じられないパロディはダメです。

r081641282L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/アンドリュー・アダムソン、ヴィッキー・ジェンソン

 声の出演/マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、
        キャメロン・ディアス

 (2001年・米)

  森の奥の沼地で悠々自適に暮らしている緑色の大きな怪物、シュレックを主人公とした話です。彼は醜いし、汚いし、臭いし、いつも強面ぶっているけれど、本当は心は優しい怪物です。ある夜、彼の住んでいる沼地に、おとぎ話のキャラクター達が大勢押し寄せてきます。彼らはファークアード卿によって追放され、行き場がなくなってシュレックのところにやってきたそうです。気ままな独り暮らしを脅かされたくないシュレックは、ファークアード卿に掛け合いに行くことにします。

 この映画の他の映画にはない個性といえば、強烈なディズニーアニメへの皮肉です。シュレックは登場するやいきなり絵本でケツを拭くし、フィオナ姫というこの映画に出てくるお姫様が歌い始めると森の小鳥は爆死します。かっこいい王子様と美しいお姫様が登場し、お姫様が森で歌い始めると小鳥がさえずり、周りで動物たちのミュージカルが始まるような典型的なディズニーアニメを茶化しているのは良く分かります。ストーリーはディズニーアニメ「美女と野獣」のまったくの逆バージョンだし、ピノキオ、白雪姫、シンデレラ、3匹の子ぶたなどの、ディズニーアニメの印象が強いキャラクターのこの映画での扱いはひどいものです。
 
 こういうディズニーアニメへのパロディを「やってくれたな~。」と好感を持って受け止め、うんこやゲップなどの下品な表現をちゃんと笑える人なら、この映画の評価はそれなりに高いでしょうね。アメリカ人なんかはジョークが好きそうだし、向こうではかなりウケたんじゃないでしょうか。僕は下品な表現は気にしないですが、パロディには不快感を覚えましたね。

 僕はパロディという表現方法自体は嫌いじゃないんですけど、この映画のように元となっている作品に対する愛情が感じられない皮肉、批判のようなパロディは嫌いなんですよ。この映画を作ったジェフリー・カッツェンバーグとかいうオッサンは、今はドリームワークスという別の会社を興したけれども昔はディズニーで働いていたみたいです。それなのにここまでディズニーをクサすということはよっぽどディズニーでイヤな目に会ったんでしょうが、そんなこと僕はどうでもいいですし、いちいちこんなイヤミな映画作らんでいいと思いますね。

 ストーリー自体も特に面白くはなかったですね。ラストが全然好きじゃないんですよ。この映画のように見かけがイマイチの男が主人公だとしたら、僕はそういうヤツが頑張って美女をモノにする話の方が夢があって好きですね。シュレックは真実の愛情や友情を手に入れたんでしょうけど、そんなものはシュレックみたいなイイ奴ならば普通にのんびり生活してても手に入れられるものです。自分とは到底釣り合わない美女を手に入れる方がそりゃ難しいと思いますし、頑張って命からがらの冒険をしたんだったらそれぐらいの見返りがないと割に合わないですね。

 また、この映画が人気シリーズになっている理由としてシュレックのアンチヒーローぶりが大きいと思うんですけど、僕はこいつに特に魅力は感じなかったですね。最初はどんなクセのあるヤツなんだと思っていましたが、特徴といえば自分の見かけにコンプレックスがあることと不潔なことぐらいで、行動も男らしいし性格も優しいしどこにでもいるイイ奴ですよ。まったくキャラが立っていなかったですね。まだフィオナ姫の方がキャラがしっかりしていました。ほとんどの童話では「お姫様」なんてただ守られるだけの存在で個性なんてまったくないですからね。
 
 僕のこの映画の評価は★2です。「2」、「3」、「4」とどんどん続編が作られていってるみたいですが、もうこのシリーズは見たいとは思わないですし、たぶん見ることもないでしょう。

 あと、僕はこういうアニメ映画は日本語吹き替えで見るんですけど、シュレックの声をしているダウンタウン浜田の声は、普通に浜田の声に聞こえてしまいます。これではダメですね。関西弁を使う人を持ってきたのはいいアイデアだと思うんですけどね。





<シュレック 解説>

 
 人里離れた森の中。沼のほとりに、人の骨をすり潰しパンにして食べてしまうと怖れられる怪物がいた。怪物の名はシュレック。しかしこの怪物、本当は優しい心の持ち主。人々が怖れて近づかない森の奥でひとり気楽な毎日を送っていた。そんなある日、森におとぎ話の登場人物たちが大挙押し寄せてきた。彼らは、国を支配するファークアード卿によって無益な存在として追放されてしまったのだ。困ったシュレックは彼らを引き取るようファークアード卿に掛け合い、代わりに囚われの身のフィオナ姫を助け出すことを約束するのだが……。

スチームボーイ STEAMBOY

僕がこの映画で良いと思ったのは絵だけです。

r081980693L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/大友克洋

 声の出演/鈴木杏、小西真奈美、中村嘉葎雄

 (2003年・日)

 

 19世紀半ば、万国博覧会を目前に控えたイギリスに住む少年レイが主人公です。ある日レイの元に、アメリカで父と共同研究中の祖父から謎の金属ボールが届けられます。そこへオハラ財団と名乗る男たちがボールを渡せとやって来ます。祖父の、「オハラ財団には絶対に渡してはならない」という指示に従い、レイはボールを持って逃げます。

 この映画はとても評判が悪いですね。実際見ましたが、その評判に違わぬ出来でした。この映画で僕が良いと思ったのは絵だけですね。それ以外は全部ダメでした。

 僕が小学校の頃に面白くて何回も見た「天空の城ラピュタ」にけっこう似ているんですが、あっちが★10だとしたら、こちらは★2ですね。ラピュタのような面白い冒険活劇を見ている時の興奮がこの映画の場合まったくありませんでした。

 これは僕がラピュタを見た時より年とったからとかいう問題ではないと思いますよ。僕は今でもラピュタ以外のスタジオジブリのアニメはちょこちょこ見ていますが、少なくともこの映画よりはハラハラドキドキしますし。

 単純に話が面白くないんでしょうね。序盤のレイがボールを持って逃げるとこあたりまではそこそこ盛り上がって面白かったんですが、この映画はそこがピークです。レイがロンドンに連れ去られてからはずっと眠かったです。そして、一番盛り上がって然るべき後半部分が最も面白くなかったです。

 後半は本当にひどいですよ。ただロンドンの街の破壊活動を映してるようにしか見えませんからね。目的は違うものの、登場人物全員が破壊活動に邁進しているように見えます。ロンドンの街に大惨事が発生しているのに、誰一人として壊された建物や下敷きになった人達のことを心配していませんから。こいつらはいったい何なんだと思いましたよ。

 「こいつら」と言いましたが、この映画は、それぞれの登場人物がどういった人間なのか見ててもよくわからないんですよ。人間を描くということについてはこの監督はあまり気にしていなかったんでしょう。主人公のレイですらどんな奴がよくわかりませんから。まあこいつは主人公だから善側の人間だな、といったぐらいの認識しかないです。

 さらに、声優のチョイスも悪いです。このチョイスだとスタジオジブリと一緒です。スタジオジブリの映画は普段あまり映画なんか見ないカップルも家族連れも見ますから、有名人を起用した方が話題作り、客寄せにいいかもしれません。しかし、「大友克洋」というブランドでは親が子どもに見せたい映画にはならないでしょう。そのブランドが通じるのは主に20代~30代の男でしょうね。その層の人はそういう声優の起用は決して望んでいないと思いますね。実際にレイ役の鈴木杏は上手くはなかったし、ロイド役の中村嘉葎雄は聞き取りづらくて論外でした。


 




<スチームボーイ STEAMBOY 解説> 

 19世紀の産業革命のイギリスを舞台に、驚異の発明“スチームボール”をめぐる少年の勇気と希望の冒険物語。監督は『AKIRA』で全世界に認められたクリエーターの大友克洋。主人公レイの声は『花とアリス』の鈴木杏。スチームボールを開発させた財団の令嬢スカーレットを『阿弥陀堂だより』の小西真奈美が担当している。総作画枚数18万枚の緻密に描かれた映像とその迫力は必見。



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