どっちかといえば松本人志が好きな人。
リクルート
話も面白くないし、ラストもイマイチのサスペンスです。
監督/ロジャー・ドナルドソン
出演/アル・パチーノ、コリン・ファレル、ブリジット・モイナハン
(2003年・米)
名門マサチューセッツ工科大学である主人公ジェームズは、「スパルタカス」と名づけられたプログラムの開発によりコンピューター業界から勧誘されるぐらいの優秀な学生です。しかし彼は、CIAの教官を名乗るバークという男にリクルートされます。彼は自分の父親がCIA関係の人間ではないかと疑問を抱いていたこともあり、CIAに入ることを決めます。特別施設に集められたジェームズを始めとした訓練生達は過酷な訓練を続けますが、ある日ジェームズはバークの仕組んだ拷問に屈したため訓練生をクビになります
全然面白くなかったですね。ストーリーが二転三転してラストにはどんでん返しらしきものもあるらしいので、僕好みの映画なと思ってビデオ屋で借りたんですが、このラストはイマイチでしたね。少なくとも黒幕が誰かというのはアホでも分かりますし、それまでの流れをぶった切っていて、いかにもとってつけたような感じのオチですからね。
無理やりどんでん返しを作らなくてもいいと思うんですよ。そりゃ「ユージュアル・サスペクツ」みたいなサスペンス映画にしたかったんでしょうけど、あの映画は出演者の演技、脚本、構成、演出すべてが唸るほどの出来だし、あんなレベルの映画はなかなか出来ないんだから、師弟の絆を描いた人間ドラマの要素も半分ぐらい入ったストーリーにすればよかったと思うんですけどね。この映画は100%のサスペンスにするつもりで、結局何が言いたいんだかわからなくなっています。
まあ、オチが読めてもストーリーが面白ければそれなりにいいんですけど、この映画はそっちもダメですからね。この監督は監督の話の盛り上げ方が下手なんでしょう。僕の緊張感が持続したのはジェームズが訓練生をクビになるところぐらいまででしたから。ここが良かったなあという場面が特に思い浮かびませんし、たぶんこの映画は1か月ぐらいしたら内容をすっかり忘れてしまうでしょう。
アル・パチーノとコリン・ファレルが出ているので、この2人が演じるジェームズとバークを中心に話が進んでいくんですが、もうちょっと他のキャラクターに個性を持たせたらこの映画はもっと面白くなっていたと思いますよ。ジェームズとバーク、それにジェームズとちょっといい仲になるレイラという訓練生以外のキャラクターは、見てからほとんど時間が経っていないのに名前すら出てこないですからね。訓練生なんてたくさん出ていたんですけど、みんな何の個性もなかったです。
ジェームズの父親も何か謎がありそうなことを最初から匂わせてるわりには、終わってみれば全然大したことなかったですからね。これももうちょっと話を膨らましたら映画を面白くさせる1つの要素になったと思うんですけどね。この映画の監督はアル・パチーノとコリン・ファレルに気を遣い過ぎています。もうちょっと他の人にもスポットを当ててほしかったですね。
実際アル・パチーノとコリン・ファレルの演技は上手だったんですけどね。アル・パチーノはもう大ベテランだし言わずもがなですが、コリン・ファレルも追い詰められる若者の雰囲気が漂っていたし、なかなかいい演技をしていると思います。この人は僕は「マイノリティ・リポート」で注目したのですが、すごく器用な人だと思いますよ。すっかり売れっ子になっていろんな映画に出ているので、飽きられやしないかいうことが心配ですが。
この2人の演技がダメだったらこの映画の点数は★0でしたが、それはなかったので★2とします。これを見るぐらいだったら「ユージュアル・サスペクツ」をもう1回見た方がよかったですね。
<リクルート 解説>
マサチューセッツ工科大学の学生ジェイムズ・クレイトン。彼はその優秀な成績から、卒業後の進路もPCメーカーから特別に誘いを受けるなどエリート街道を約束されていた。そんなジェイムズはある日、アルバイト先のバーでウォルター・バークという男に出会う。彼はCIAのベテラン教官でリクルート担当者。バークはジェイムズに関する情報を全て調べ上げたうえ、その能力を見込んで採用するために訪れてきたのだった。ジェイムズは悩んだ挙げ句、就職先をCIAに絞り、採用試験をクリア、晴れて訓練生となるのだが…。