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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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松本人志と映画が好きな人。
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夜のピクニック

原作もつまらんし、映画としてもまるでダメです。

c100740371_l.jpg ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/長澤雅彦

 出演/多部未華子、石田卓也、郭智博

 (2006年・日)

 
 主人公達の高校で昔から行われている伝統行事「歩行祭」の様子を描いた話です。主人公の甲田貴子はこの行事をきっかけに、普段は気まずくて一度も話したことのない同じ学年にいる異母兄弟の西脇融に話し掛けようという思いを抱いていました。

 この映画の主人公の貴子と西脇は異母兄弟なんですが、このことはそんなに重たく受け止めなければならない事実なんでしょうかね。僕だったら異母兄弟がいても「まあ、世の中こういうこともあるだろう。」とさらりと受け流すと思うんですけどね。そりゃ多少はそいつとは気まずいけれども、少なくともこの映画の二人のように、まったく口もきかないほど相手を強く意識する関係にはならないですよ。愛人の子は汚らわしいとかまったく思わないですし、僕だったらどちらの立場でも負い目や罪の意識、相手に対する憎しみなんかはまったくもたないと断言できます。

 そういうわけでこの映画は間違いなく貴子と西脇の関係がメインのストーリーなのに、二人にまったく感情移入できないから、最初から最後まで見てて何も面白くなかったですね。「ふーん。こんなしょうもないことを延々と描いた映画なんだな。」という感想しかありませんでした。
 
 貴子と西脇以外のクラスメイトも典型的なステレオタイプの人間ばかりですからね。恋愛のことしか考えていない内堀、ちょっと大人びたイイ奴キャラの戸田、マンガチックなノリの梨香、柄本明の息子が演じるお調子者の高見、全員薄っぺらいキャラばかりでまったく好きになれないです。高見と内堀が意気投合するベタベタな展開なんかは、「一生やっとけ!ボケ!」と思いましたね。特に高見については、「コイツを演じてる柄本明の息子は、こんなブサイクなツラして何で若い頃からそれなりに売れとるんや。本人はオーディションとかで合格するのは自分の演技力のたまものやと思とるんやろな~。120%親の力やのに。」と見ててまったく映画に関係ないことまで考えてしまうので、一番ウザかったです。

 まあ、こんなにつまらない映画だということは、原作もつまらんのでしょうね。原作は全国の書店員が選ぶという本屋大賞という賞を受賞したらしいのですが、この映画を見て本屋大賞という賞が実にしょうもない賞だということがわかって勉強になりました。全国の書店員が選ぶといったって、本当に全国の店員全員にアンケートをとったわけではないでしょう。それにみんなが同じ数の同じ本を読まないとこんなアンケートは意味ないですしね。雑誌などの読者が選ぶ映画ランキングでも上位はベタなハリウッド大作ばかりですし。

 もちろん、この映画は映画としてもまるでダメですよ。たまにこういうメリハリのないもっちゃりとした感じの映画に当たってしまうんですが、原因は監督に映画を作る才能がないからですね。場面場面をうまいこと繋げたり、ある場面を盛り上げていわゆる見せ場を作るといったことができないんです。僕はこの映画の主人公の2人に感情移入できないと先ほど言いましたが、2人の関係の見せ方を工夫したらちょっとは面白くなるはずなんです。しかしこの監督はあまりにも見せ方に芸がない。素人以下ですね。僕はこの監督の作品は初めて見ましたが、もう2度と見ません。

 この映画は★1ですね。この1点の源である僕がこの映画で唯一いいなと思ったところは、貴子が普段は同じクラスの友達と仲良さそうに歩いているのに、休憩時間になるとちゃっかりもっと仲良い他のクラスの女の子のところに行くところですね。人の情の薄さにグッときましたよ。それ以外のところでは登場人物達はクサいセリフや行動に終始するので、このシーンが逆に新鮮でした。

 この映画で貴子を演じている多部未華子はけっこう有名なので期待していたんですが、演技は全然上手くないですね。「目つきが悪いなあ。」という印象しか抱きませんでした。あの目つきで思春期特有の複雑な感情を表現したいんでしょうが、「表現したいんだろうなあ。」ということしか伝わってきませんでした。容姿もそんなに良くないですし、こういう女優を「存在感がある。」とか根拠のない理由でもてはやしたらダメです。石田卓也もただの愛想の悪い表情の無い男に見えました。まあ、これぐらいキャリアの浅い役者の演技のダメさは監督の稚拙な演技指導のせいも多分にありますけど。ちょっとは「誰も知らない」の是枝監督を見習ってほしいですね。

 




<夜のピクニック 解説>

 全国の書店員が選ぶ第2回本屋大賞を受賞した、恩田陸の同名ベストセラー小説を映画化した青春ドラマ。24時間かけて80キロを歩く学校行事を通し、高校生の友情や葛藤を描いたのは、『ココニイルコト』『青空のゆくえ』の長澤雅彦監督。出演は『HINOKIO ヒノキオ』の多部未華子、『蝉しぐれ』の石田卓也、『花とアリス』の郭智博など、期待の若手俳優たちが顔をそろえた。ひたすら歩き続ける中で自分と向き合い、成長していく彼らの姿が清々しい。
 高校生活最後の伝統行事「歩行祭」を迎える甲田貴子(多部未華子)は、一度も話したことのないクラスメイト西脇融(石田卓也)に話しかけようと考えていた。2人は異母兄妹の間柄で、そのことは誰にもいえない秘密だった。一方、融も貴子を意識しながらも近づくことができず、事情を知らない友人たちが勘違いして、告白するようけしかける。
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雲のむこう、約束の場所

この監督にはこういうSFチックな映画は向いていない。

r081998412L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/新海誠

 声の出演/吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香

           (2004年・日)

 戦後、日本は南北に分断され、藤沢ヒロキと白川タクヤは米軍統治下の青森で暮らしていました。ユニオン占領下の北海道には、謎の巨大な塔が建っていました。ヒロキとタクヤはいつかこの塔まで飛んでいこうと、2人で飛行機を組み立てていました。

 この映画も新海誠という監督が前作の「ほしのこえ」と同じく、原作・脚本・監督・撮影・美術といろいろがんばっています。たしかこの監督の前作の「ほしのこえ」は、ほとんど1人で映画を作ったということに意味があるということで、ストーリーがイマイチでも僕はこのブログで★4をつけたと思います。しかし今回は1人で作ったということにあまり意味はないです。「ほしのこえ」がそこそこヒットして名声を得て、間違いなく製作費は前作より増えていると思いますからね。吉岡秀隆や萩原聖人を声優に使っているぐらいですし。この段階で色々な仕事を1人で頑張っても、ただのナルシストにしか見えません。どんな仕事でもそうですが、「他人を信頼して仕事を任せる」ということも大事なことですからね。

 映画の雰囲気は前作とそんなに変わっていません。相変わらず登場人物は少ないですし、おそろしく小さな世界での出来事のように見えます。前作と違って今回の映画は背景となる世界自体もそれなりに描こうとしているのはわかるし、登場人物も多少は増えているんですが、主人公達は過去の自分達の美しい思い出にひたっていばかりで、まったく現実世界に溶け込んでいません。いつまでも思春期の少年少女のような彼らと、世界の終わりがどうたらこうたらというSFチックな世界がどうにも結びついてこないです。

 見てるこっちは中高一貫の男子校におって爽やかな青春時代の思い出などまるでない30の仕事に疲れたオッサンですからね。そりゃきついですよ。「もうええでそんなん、おまえはいつまで子どもやねん。いいかげん現実を見つめろ!」とずっと怒っていましたね。背景となる世界観やストーリー展開のリアリティのなさはつっこむつもりはありませんが、こんなジュブナイル小説の登場人物のようなキャラクターだけは許せなかったですね。

 ヒロインも前作の「ほしのこえ」と同じく、心に汚い部分のまったくない、男から見たらまさに理想の女性です。ちょっとオタクっぽい映画に出てくる女の子はこうでないといけないという暗黙のルールがあるのでしょうか。もちろんそういう男寄りの女性の描き方を完全に否定するわけではないですが、そんな女の子が出てくる映画は万人に受け入れる作品には決してなりえないですね。たぶん女が見たら怒ると思いますから。

 新海誠が才能がないわけではないんですよ。今回の映画もSFチックな設定でなく本当に日常生活の小さな一コマを描いただけだったら、僕の評価ももっと上がっていたと思います。「ほしのこえ」のDVDに入っていた「彼女と彼女の猫」という作品は僕の中では評価が高いですし。この人の作品は叙情性が高く見てて非常に爽やかな気分になります。そこに良さがあるのですから、戦争だの世界の終わりだの軍隊だのといった題材とは相容れないと思います。

 絵は相変わらず美しいです。田舎の駅や草原のカットは本当に素晴らしかった。ただ、飛行機が飛ぶシーンとかの迫力はまるでなかったですね。「あれ、もう飛んだんや。」といった感じです。一般的なSFアドベンチャーだったらここが一番ストーリー的にも画的にも盛り上がるところなんですけどね。本当にこの人はこういう話に向いていません。

 点数は★2とします。★4、★2とこの監督の映画の点数は僕のブログでは低迷気味ですが、僕はまだまだこの人を見捨ててはいません。違った題材の映画を撮るならばまた見ると思います。





<雲の向こう、約束の場所 解説>

 フルデジタル作品『ほしのこえ』でデビューし、国内外から高い評価を得た新海誠監督が前作同様、原作・脚本・監督・撮影・美術を自らが手がけたアニメーション。日本が南北に分断され、青森が米軍の統治下に置かれるという設定で展開される青春物語。声優陣は吉岡秀隆をはじめ「冬のソナタ」でぺ・ヨンジュンの声を担当した萩原聖人など演技派ぞろい。空間の広がりを感じるアニメーションとオリジナリティあふれる設定に注目。

日本は戦争により南北に分断されていた。米軍の統治下にあった青森に住む藤沢ヒロキと白川タクヤには夢があった。それは津軽海峡を走る国境線の先にある巨大な塔まで、小型飛行機で飛ぶことだった。そんなある日、2人のあこがれていた沢渡サユリが突然転校することに……。
 

ブレイブ ストーリー

主人公達の安い絆と最後のワタルの決断が結びつかない

r082099640L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/千明孝一

 声の出演/松たか子、大泉洋、常磐貴子

 (2006年・日)

  
 主人公のワタルは一般家庭に生まれた平凡な少年ですが、ある日、父親が家を出て行き、母親はそのショックで倒れてしまいます。自分の不幸な運命が嫌になったワタルは、運命を変えるため、異世界への扉を開きます。同じようにその扉を開いた少年がもう1人います。それは転校生のミツルでした。

 この映画がダメな映画であることは言うまでもないと思います。こんな典型的なハズレ映画に当たって時間をムダにして、僕が運命の扉を開けたいぐらいです。ジブリの映画でよくあるような幻想世界の話ですね。フジテレビの人たちはこの映画の原作を見つけて、「よしこれだ!これならジブリ並みに当たるだろう!」と思ったんでしょう。そういう思いだけはひしひしと伝わってきます。

 予期せぬ出会いと不思議な世界というのはストーリーを描くうえではかっこうの題材ですが、この映画を作った人たちには物語をはぐくもうという気はまるでないんでしょう。この映画のプロデューサーである亀山千広の育ったテレビの世界は数字とってナンボですからね。こんなに作品として成り立っていない映画でも、宣伝をバカスカやって客さえ入ればそれでいいと思ったから世に出したのでしょう。あからさまに客寄せな声優陣の顔ぶれと、主人公のワタルよりも絵的にも人物的にも丁寧に描かれているミツルという美少年キャラがその証拠です。

 物語として成立していないので、きちんと最初から見てもラストのワタルの決断はまるっきり理解できませんでした。「何やお前現世の自分の運命があまりにも過酷すぎて耐えられへんからこの世界に来たんちゃうんかい。何でそないなこと言うねん。ただ単にきれいなラストにして見てる俺らを感動させたいだけかい。お前はこの映画のプロデューサーか!」とちょっとブチ切れたぐらいです。

 ワタルが「幻世」をむちゃくちゃにして自分だけ幸せになる結末だったら僕はこの映画に★6はつけるんですけどね。登場人物たちの心のつながりや主人公の精神的な成長がほとんど描かれていないんですから、その結末が自然でしょう。唯一描かれているっぽいところが途中挿入歌が流れるシーンですが、しょせん歌一曲分の尺です。この映画の主人公達はかなり薄っぺらい絆でつながっていますね。

 彼らが一応は絆を深めているような絵が紙芝居のように続けざまに出てきますが、こんな予告編みたいなのを見せられてもげんなりするだけです。挿入歌も気が抜けるような歌ですからね。「Aqua Timez」という「19」と「175Rを足して2で割ったようなバンドの歌ですが、純粋に歌が下手だし、歌詞も中学生にはギリギリ通用するかなというレベルです。

 まあ、「他人を犠牲にしてまで自分の欲しいものを手に入れてはならない」ということを子どもに教えるのには多少は効果があるんじゃないでしょうか。僕も勇者の剣にはめる5つの宝石をワタルが簡単に集めるさまを見ていて、ここまで順調に物事が運ぶ人間だったら他人を犠牲にしてはいけないなあ、と思いました。 

 この映画の点数は★2ぐらいですかね。さすが日本のアニメの絵のレベルはすごいです。こんな最低なストーリーの映画でも僕が★2もつけるぐらいですから。実写映画だったら間違いなく★0です。





<ブレイブ  ストーリー 解説>


 宮部みゆきのベストセラー小説をアニメ映画化した冒険ファンタジー。不幸のどん底に突き落とされた少年ワタルが、運命を変えるために飛び込んだ異世界での冒険を描く。TVシリーズ『青の6号』などで知られる日本最先端の映像制作スタジオ、GONZOが映像を手掛ける。主人公・ワタルの声を務めるのは女優・松たか子。そのほか、大泉洋、常盤貴子といった豪華な顔ぶれが声優として参加している。広大なファンタジーの世界と、ストーリーに内包される普遍的なメッセージが心を引く。
 どこにでもいる平凡な小学5年生のワタルは、父親の家出と母親の自殺未遂を機に不幸のどん底に突き落とされてしまう。あまりにもつらい自分の運命を変えたい気持ちに駆られたワタルは、転校生のミツルに教えてもらった“運命を変える扉”を開け、ありとあらゆる冒険が待つ幻界へ飛び込むが……。 

 

バタフライ・エフェクト

人間ドラマとして主人公の成長をきちんと描いています。

r167458307L.jpg ★★★★★★★★★☆ 

 監督/エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー

 出演/アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、
      ウィリアム・リー・スコット

 (2004年・米)

 一時的なブラックアウトにたびたび陥る主人公のエヴァンは、ある日、自分のつけている日記を読み上げることで、記憶が抜け落ちているその時に舞い戻り、過去を変えることができるという力に気づきます。彼はその力で、悲惨な人生を送りあげくに自殺した幼なじみのケイリーを救おうとします。

 この映画は文句なしに面白いです。大きな賞レースに参加したわけでもないし、キネマ旬報の評価も低いですけど。あまり作品としての重みを感じさせない映画だからでしょうね。これはこれで脚本もかなり丁寧に作りこまれていると思いますし、中途半端な出来で重苦しいテーマの史実物やドキュメンタリーを見るよりはこういう娯楽作を見た方がよっぽど心にも身体にもいいと思うんですけどね。

 僕は元々タイムスリップやブラックアウトを題材にした映画が好きですし、「もしあの時違う決断をしていたら、どんな人生になっていただろう?あの時に戻って人生をやり直したいなあ。」という思いも人より強い、こういう映画を見るのにまさにうってつけの人材です。だからかなり期待して見たんですが、期待を裏切られなくてよかったです。

 ちょっと前に見た「ドニー・ダーコ」も同じようなタイムスリップ物でしたが、あっちは難解すぎて僕の頭ではついていけませんでした。この映画は面倒な理屈抜きに人間ドラマとして充分楽しめます。主人公が時間軸を行ったり来たりするんですが、決して構成は難解ではなくストーリーを追うのに苦労しません。そしてストーリーも最初から最後までスリリングな展開で見てて飽きないです。

 そして何よりもこの映画の最も素晴らしいのは主人公の最後の決断ですね。主人公は何回も過去に行って未来を変えるために頑張るんですが、何回やっても上手くいかなくて泥沼状態になり、彼自身と彼の大事に思っている人達がみんな幸せになる未来なんて存在しないことを知ります。そして彼はある決断をするんです。この決断がこれ以上ないぐらい悲しくて切ないんですが、達成感も伴う決断なんです。僕が先ほどこの映画を「人間ドラマ」として面白いと言ったのは、そういうところからです。主人公の成長をきちんと描いていると思いますよ。

 それにこの映画の大きなテーマの1つは初恋ですしね。初恋ほどほろ苦いものはないです。だから主人公にも自然に感情移入できます。

 しかし、ケチをつけるところがないわけではないです。まず、DVDに入っている2つの別エンディングです。前に別の映画の感想で言いましたが映画を1つの作品として捉えるにあたってこういう特典は非常にうっとうしいです。おまけにこの2つのエンディングの出来がとんでもなく悪いですからね。こんなしょうもないエンディングはずっと封印しとけと言いたいです。

 あと、主人公がたくさん生み出したパラレルワールドはどうなったんだという疑問が残ります。僕がリスペクトする藤子・F・不二雄先生の作品「のび太の魔界大冒険」では、魔法に憧れるのび太がもしもボックスという道具で魔法の使える世界を生み出してしまうんですが、その世界は魔王は出るわ魔物は出るわのとんでもない世界で、おまけにもしもボックスはママが粗大ゴミに出してしまい元の世界にも戻れないという窮地に立たされます。そんなのび太たちの所にドラミちゃんが助けにきて、もしもボックスを出し、さあ元の世界に戻れる、万事解決かな、と思わせます。しかしドラミちゃんの「魔法世界は魔法世界でパラレルワールドとなり元の世界とは別々に事が進む。」という説明を聞いたのび太たちは、「魔法世界の人々は魔物の脅威にさらされ続ける。それでは真の解決にならない。」という思いから再び魔法世界に向かうのです。

 どちらの作品の主人公の行動がより納得できるかは言うまでもないと思います。まあ、この映画がダメというわけではないんですけどね。何回も過去に戻って未来を変える行為なんて倫理的に良くないというのはこの映画の主人公も分かっていることだと思いますし。「のび太の魔界大冒険」よりは、ちょっと胸にもやもやが残るかなというぐらいです。点数は★9とします。それも限りなく満点に近い★9です。





<バタフライ・エフェクト 解説>

 過去に戻って現在、未来の出来事を変えることができる青年を描いたSFスリラー。『ジャスト・マリッジ』のアシュトン・カッチャー主演作。共演は『ラットレース』のエイミー・スマート。ノンストップで繰り広げられるストーリー展開と驚愕のラストは必見。
 幼い頃、ケイリー(エイミー・スマート)のもとを去るとき、エヴァン(アシュトン・カッチャー)は、「君を迎えに来る」と約束した。だが時は流れ、ケイリーとエヴァンは全く別の道を歩んでいた。 

 

ショコラ

女性にとっては素敵な映画なんでしょう。

r081561306L.jpg ★★★★★★☆☆☆☆ 

 監督/ラッセ・ハルストレム

 出演/ジュリエット・ビノシュ 、ヴィクトワール・ティヴィソル、
      ジョニー・デップ

 (2000年・米)

 あるフランスの小さな村の話です。この村は代々村長を務めるレノ伯爵家のもと、カトリックの厳粛な戒律と因習に縛られており、ある種の閉塞感が漂っていました。そんな村に、謎めいた女性ヴィアンヌとその娘アヌークが引っ越してきてチョコレート店を開きます。初めはいい顔をしていなかった村人達も、ヴィアンヌの作るチョコレートのおいしさに魅了され、だんだんヴィアンヌに心を開いていきます。村の雰囲気も明るくなっていくのですが、レノ伯爵だけは、このチョコレート店をこころよく思っていませんでした。そんなある日、村の川辺にジプシーの一団がやって来ます。

 大御所ハルストレムの映画なだけあって、きっちりと仕上がった映画だとは思います。しかし、どうにもこうにも食い足りない印象ですね。まあ、100%言えることは、この映画が女性向きの映画だということでしょう。美しい村の風景、上品な音楽、おとぎ話のようなストーリー、おいしそうなチョコレートと、女性が好みそうな要素が目白押しな映画です。きっと女性にとっては「素敵な」映画なのでしょう。ちなみに僕の嫁はんもこの映画の評価はかなり高かったです。

 登場人物も、主人公のヴィアンヌをはじめとした女性陣はみな生き生きと輝いているのですが、男性陣は情けない奴ばっかりです。唯一のまともな男であるジプシーのルーも、特に魅力的には見えませんですしね。というかこのルーは別に出てこなくてもいいような気がしますよ。こいつが出てくるおかげでこの映画はラブ・ストーリーの要素も加わってくるのですが、そんな要素はこの映画ではいらんかったような気がしますし。

 演じるジョニー・デップも、この映画では普通のそのへんにいるような顔がかっこいいだけの俳優に見えました。いやたしかにこの人はかっこいいですけど、この役では彼の本当の俳優としての魅力が出せていないような気がしますね。彼はすごく好きな俳優なので非常に残念です。対照的にジュリエット・ビノシュの演技はすごく良かったんですけどね。演技力うんぬんではなく、キャラクターがしっかりと息づいていたような気がします。

 そういうわけで、男の僕からしたらどう考えてもこの映画はアカデミー賞にノミネートされるような映画には見えませんでした。この映画の大きなテーマとして「ルール」と「定住と放浪」があると思いますが、この監督は「サイダーハウス・ルール」と「ギルバート・グレイプ」でこの2つのテーマはすでに描いているじゃないですか。どうしてまた同じようなテーマの映画を作ったのでしょう。おまけに「サイダーハウス・ルール」と「ギルバート・グレイプ」の方が、この映画よりもいい映画だと思いますし。

 そして、これは誰でも違和感を感じることだと思うんですが、フランスの小さな村が舞台なのに、登場人物はみんな英語を話します。これは減点対象でしょう。アメリカ・フランス合作にして、フランスの俳優を使えば済む話だと思うんですけどね。

 点数は★6ぐらいですかね。文句しか言ってないんですけど、ただのチョコレートのような甘い話で終わっていないというのはさすがハルストレムだなあと思います。これ以上ないぐらいのハッピーエンドなんですが、ほろ苦い余韻が残ります。それはやはりヴィアンヌを始めとした登場人物の持つ光の部分と影の部分をきっちりと描いているからでしょう。

 あと、僕はチョコレートは毎日食べるぐらい大好きですしね。この映画ではチョコレートが万能アイテムとして出てくるのがいいですね。これがチーズだったら僕はこの映画を見ていないでしょう。 





<ショコラ 解説>


  「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレム監督がジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ主演で描く愛のファンタジー。古くからの伝統が根付くフランスの小さな村に、ある日謎めいた母娘がやってきてチョコレート・ショップを開店する。厳格なこの村に似つかわしくないチョコだったが、母ヴィアンヌの客の好みにあったチョコを見分ける魔法のような力で、村人たちはチョコの虜になってしまう。やがて村の雰囲気も明るく開放的なものになっていくのだが……。  

 

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