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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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松本人志と映画が好きな人。
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マインドハンター

僕は120%ヴァル・キルマーが犯人だと思っていました。

c100652331_l.jpg ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/レニー・ハーリン

 出演/LL・クール・J、ジョニー・リー・ミラー、キャスリン・モリス

 (2004年・米)

 
 FBIの研修生達が、訓練場である無人島に最終試験のためにやって来ました。 教官であるハリスは数日後にまた戻ると言い残し、7人の研修生だけを残し島から去って行きました。しかし、ハリスによる擬似的なものだと思われた殺人は、1人の研修生の思いがけない死によって現実の恐怖へと変わっていきます。研修生達はお互いに疑心暗鬼になりながら、犯人を突き止めようとします。

 テンポはわりといいので、普通に見れる映画です。ただ、期待していたものとはまったく違っていましたね。僕は練りこまれた脚本のスタイリッシュなサスペンスを期待していたんですけどね。B級映画の匂いが漂っていますよ。レベル的には「金田一の事件簿」とか「探偵学園Q」の無人島の話ぐらいじゃないでしょうか。

 主人公達はFBIの研修生なのですが、どう考えても頭が良いようには見えない、単純で分かりやすい性格の人達です。どうひいき目に見てもこの人たちが将来FBIの心理分析官になれるとは思えません。実際に映画の中でも犯人にいいようにやられています。こんなストーリーなんだったら、こいつらが心理分析官の卵という設定は特に必要なかったんじゃないでしょうか。たまに思い出したかのようにそんな話も出てきますが、実際に主人公達と犯人の心理戦のようなものはまったくありませんし。

 この映画はビデオ屋では結構回転率が良く、けっこう借りづらかったんですが、みんな僕と同じようにだまされたんでしょうね。あまり期待しないで見たらもっと楽しめたのかもしれないですけど。「ダイハード2」や「クリフハンガー」などの派手なアクション映画ばかり撮っているこの監督にしたら、これぐらいが限界だったんでしょう。というか「クリフハンガー」なんてかなり面白くなかったし、もしかするとこの監督にしたら上出来の映画なのかもしれません。

 ちなみにこの映画には僕の好きなヴァル・キルマーが出ているんですが、はっきり言って彼の扱いはひどいです。もう1人の大物俳優クリスチャン・スレーターの扱いもひどくて、若手俳優ばっかり活躍しています。こういう犯人探しの映画はそこそこ名が売れている俳優がたいてい犯人なので、その点だけで言うとこの映画は意外性のある良い映画だと言えます。僕は120%ヴァル・キルマーが犯人だと思っていましたし。

 しかし、実際に犯人がわかっても、特に何とも思わないんですよ。終盤で犯人の行動理由が突如明かされますが、「ふ~ん。」としか言いようがないです。この映画は殺し方に罠のようなものを多用しており、グロいシーンも多いので、その点では僕が好きな「ソウ」という映画に非常に似ているのですが、犯人がわかったときの驚き、犯人のキャラクターの魅力、それまでのストーリーでの伏線の張り方の巧さなど、どれをとっても「ソウ」の10分の1ぐらいですね。

 それに、せっかく若手俳優達がいい役をもらっているのに、演技の光る役者が1人もいなかったのが残念ですね。犯人役の俳優は犯人だとわかった後も怖さを感じさせなかったのでそれはそれでダメなことだと思うし、主人公っぽい女優は普通に演技が下手でした。

 だからこの映画は総合的に見て決して面白い映画ではなかったんですが、見てて退屈ではないし、ヒマつぶしにはもってこいの映画なので、★3ぐらいにしときます。せめて最後にどんでん返しのようなものがあればもっと良かったんですけどね。





<マインドハンター 解説>

 
 FBIの訓練生が実際の殺人事件に巻き込まれるという、『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン監督が仕掛けた危険な心理ゲーム。教官役に『アレキサンダー』のヴァル・キルマー。『ブロークン・アロー』のクリスチャン・スレイターや、『マイノリティ・リポート』のキャサリン・モリスらが果敢に犯人に立ち向かう心理分析官の卵を熱演する。孤立した島で仲間同士が互いの腹を探りあい、極限状態に追い込まれる様子はまるで悪夢。1人また1人と減っていく人数に怯えながら最後まで犯人探しにほんろうされる一本。
 FBIの心理分析官を目指す優秀な訓練生7人。彼らに教官(ヴァル・キルマー)は無人島での最終試験を用意した。だが殺人事件は本物で、JD(クリスチャン・スレイター)やサラ(キャサリン・モリス)らは犯人を探し始める。  
 
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県庁の星

撮影に使っている建物はおそらく香川県庁でしょう

c100645351_l.jpg ★★★★★★★★☆☆ 

 監督/西谷弘

 出演/織田裕二、柴咲コウ、佐々木蔵之介

 (2006年・日)

 
 野村聡はK県庁のキャリア公務員です。プライドも出世願望も高い彼は、県事業の目玉である民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれ得意満面です。恋人は地元の大手建設会社の令嬢で、まさに人生順風満帆でした。しかし、いざ配属された研修先は客もほとんどおらず店員のモチベーションも低いとんでもないスーパーで、自分の教育係になったのは自分より年下のパート店員でした。

 いきなりですが、僕はある県の職員です。なのでこの映画の行政組織や役人の描き方が非常にステレオタイプで、この監督が県庁という場所とそこで働く職員についてまったく知識がなく、かなり誤解しているのはすごく良く分かりました。しかしスーパーの方も、「こんなスーパーとっくの昔につぶれてるやろ。」というぐらいかなりむちゃくちゃに描かれています。県庁もスーパーも同じぐらい悪く描かれていて公平さという点では問題ないですし、あえてこれぐらい過剰な表現にした方が映画としてわかりやすくていいのかなとも思いますから、「全然違う!こんなんのわけないやろ!」とかイラついたりせず普通に見ることができました。

 それに「官」を無条件否定するようなストーリーでもありませんしね。それだったら途中で見るの止めたろとも思ってたんですけど。僕の勤める県でも民間企業との交流事業はありますが、向こうはハナから官に学ぼうという気なんかまったくなくて、やって来る職員のこともバカにしているから、派遣された職員は派遣期間の間延々と単純作業をやらされるのがほとんどです。向こうにとっては、給料は県が払うんだから、すぐに戦力になる単純労働をやらせたら少しは得をするなということなんでしょう。しかしこの映画はある意味理想論である、官が民に学ぶところがあるのと同じように、民が官に学ぶべきところもあるという、公務員が見てもサラリーマンが見ても気を悪くしない話の流れになっています。これでかなり僕の好感度は上がりましたよ。官でも民でも、1人1人が常に自分の仕事に問題意識を持つことが一番大事なことですからね。 

 ただ、公平さという点でオンブズマンの描き方だけはムカつきましたけどね。県庁やスーパーは極端に悪く描かれているのに、こいつらは非常に良く描かれています。この映画でいわゆる悪役的な存在の人物が、「彼らは何の責任も持たず、批判を生きがいとしている。」とか言うんですが、まったくもってその通りだと思いますけどね。このセリフを仕事に対する意識が変わった後の織田裕二が言ってくれたら良かったんですけどね。 

 あと、この映画は野村とスーパーの人たちとの心の交流と彼らが力を合わせてのスーパー改革劇がメインなんだから、野村とスーパーの人たちとの別れのシーンで終わるのがどう考えても一番感動すると思うんですけどね。この映画はその後野村が県庁の方を改革しようとする話になって、これも話としては全然悪くないんだけれど、映画全体として見たらこの部分はいかにもとってつけたような感じになっています。僕の気分の盛り上がりはスーパーの改革が終わったところがピークだし、もうその後は集中力が切れてしまっていたから、しまいには話も分からんようになって一緒に見てた嫁はんに話の流れを聞いてたぐらいですから。

 ですがまあ、この映画は何だかんだ言って面白かったですよ。公務員の僕がここまで嫌な思いをせずに楽しめるとは想像していませんでした。評価は★8ぐらいはあるんじゃないでしょうかね。

 ちなみにこの映画は先日見た「有頂天ホテル」に非常に印象が似ています。娯楽作品としてそれなりに楽しめるところ、フジテレビ色が強い軽いノリの作品であるところ、設定が極端でリアリティがないところ、「有頂天ホテル」は舞台っぽく「県庁の星」はTVドラマっぽい作りでどちらも映画を見てる感じがしないところ、などですね。なのに「県庁の星」の方が評価が1点高い理由は、主要な役者が全員安心して見ていられる演技をしているところです。主要な役者の中では比較的若い柴咲コウも、こういう気が強くて飾り気のない女性を演じさせたら一流ですしね。

 どうでもいいことなんですが、この映画で県庁として使われている建物は、いかにも田舎にそびえ立つ県庁という感じだし、役所の建物の雰囲気がプンプンしているので、本当にどこかの県の庁舎を撮影に使っているんでしょう。僕の働く県も田舎なので、県庁舎はこんな感じにそびえ立っていますから良く分かります。K県という設定ですから、神奈川県庁か高知県庁か香川県庁なんでしょうが、神奈川県庁はおそらく都会にあるでしょうから違いますし、高知県庁は僕が実際に行ったことがあるので違うと分かりますし、おそらく香川県庁なんでしょうね。





<県庁の星 解説>

 「白い巨塔」など数々のヒットTVドラマを手掛けてきた西谷弘の劇場映画デビュー作は、キャリア官僚とパート店員が衝突を繰り返しながらも協力して三流スーパーの改革に乗り出す人間ドラマ。出世欲丸出しの官僚に織田裕二、彼の教育係で現場主義の店員に柴咲コウがふんし、コミカルな掛け合いを披露する。『踊る大捜査線』シリーズではノンキャリアの熱血刑事を演じた織田が、融通の利かない公務員を好演して新境地を開拓している。
 K県庁のキャリア公務員・野村聡(織田裕二)は、ある時、民間企業との人事交流研修のメンバーに選ばれるが、研修先は客もまばらなスーパー。しかも野村の教育係・二宮あき(柴咲コウ)は、年下のパート店員だった。 
 

アメリ

ギリギリのラインで魅力的な主人公を作ったのがすごい

r161649145L.jpg ★★★★★★★★★☆ 

 監督/ジャン=ピエール・ジュネ

 出演/オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ、ヨランド・モロー

 (2001年・仏)

 
 主人公の少女アメリは、ちょっと変わり者で神経質な2人である医者の父親と教師の母の間に生まれました。アメリは父親に抱きしめられるのが好きだったので、父親による健康診断の時に胸の鼓動が速くなってしまい、父親に心臓の病気と勘違いされます。そのため学校にも行かせてもらえず、勉強は母親に教えてもらうことになりました。友達が1人もできないまま育ったアメリは、毎日を空想ばかりして過ごしていました。そして時が経ち、大人になったアメリは、モンマルトルで1人暮らしをしながら、カフェで働いています。ある日アメリは自分の部屋で、アメリの前にその屋に住んでいたであろう男の子のおもちゃの詰まった宝箱を見つけます。そして、その宝箱を今はもう大人になっているであろうその男の子に届けようと決心します。

 この映画についてはいかにも女受けを狙ったオシャレぶった中身のない映画だなあというイメージをずっと持っていて、実際に見てみてもその通りの女受けの良さそうなオシャレな映画なんです。しかしそのオシャレさは決してうすっぺらいものではなくて、グロテスクなものがきらびやかな衣服を身にまとっているような感じで、かなりクセがあるんです。出てくる人は変な人ばっかりだし、映像もけばけばしくて派手ですし。しかし、どこか懐かしい雰囲気も漂っているし、音楽も上品だし、おとぎ話を訊いてるかのような落ち着きのある心地よい味わいもあるんです。ちょっと説明しづらい世界ですね。しかし箱庭のように作りこまれたこの映画の世界はファンタジーっぽいストーリーともきちんと合っているし、この監督が独特な素晴らしいセンスの持ち主であるのは十二分に分かります。

 ただ、この「十二分」というところがこの映画の唯一の欠点ですね。これが「十分」だったらこの映画は本当に文句のつけようがない満点の作品ですよ。ただ、ちょっと監督の「オシャレでしょう?」みたいなキザな感じが鼻につくんです。だからこの映画の評価は★9にします。完璧に僕の好き嫌いなんですけどね。

 この映画は大きくジャンル分けするとアメリとニノという青年のラブストーリーなんですが、実際はアメリと彼女の周辺にいる様々な人間とのエピソードが連なっている映画です。しかし決して話が切れ切れの散漫な映画ではありません。出だしの奇妙なノリでまずこの映画の世界観に興味を持ち、アメリが最初にダイアナ妃の事故のニュースでびっくりしたところからアメリの恋の結末までテンポ良くなおかつ自然に物語が流れていき、初めは意味がわからなかった数々のエピソードの謎もだんだんと解けていきます。この映画の話の進み方、構成は本当に上手いですね。ひねくれ者の僕がアメリの生い立ち、性格、行動を自然に理解していき、いつのまにかアメリという人間に魅力を感じるようになって、心からアメリの恋を応援していたぐらいですから。
 
 アメリはさすが1人だけの空想の世界で生きてきただけあって、かなり変わった人です。人を幸せにしたいという心がけは立派なんですが、やってることはかなり押し付けがましいし、まわりくどいし、社会性に欠けているのか犯罪すれすれの危ないこともためらいなく行います。そのくせ変に内気でコミュニケーションが苦手だからじれったいところもあります。普通に考えたらウザいうえにかなり危険な、絶対に関わりたくない人間なんです。しかしこの映画のアメリはなぜかそう見えないんですね。いじらしくて微笑ましく、見ててこっちの心も暖かくなります。アメリの周りの人が彼女の恋をバックアップするのも分かりますね。

 一歩間違えればとんでもない奴というギリギリのラインで、このような魅力的な人物像を作り出したというのはつくづくすごいと思います。アメリ役のオドレイ・トトゥもこれ以上ないハマリ役ですね。このキャラクターの完成は彼女の持つ雰囲気があってこそだと思います。

 ちなみにアメリの恋人のニノも仕事はポルノショップとお化け屋敷のバイトのかけもちで、趣味は証明写真を撮る機械のそばに捨てられている写真を集めることという、こちらもどう考えてもまともな人間ではないんです。こんな奴との恋なんて本当は応援したらいけないんですよ。アメリもしがないウェイトレスですし、こんな2人が結婚してもお先真っ暗じゃないですか。しかし、この映画の持つ不思議な雰囲気は、それをいいんじゃないのと思わせてくれます。僕らが普段抱いている「フリーターは将来性がない」という常識を吹き飛ばしてくれます。だから見終わった後はこのうえなく爽快な気分だし、間違いなくこの映画は癒し系の映画だなと思いますね。日本で流行った理由も分かります。

 まあ、好みの問題はもちろんあると思いますが、けっこう多くの人に受け入れられると思いますよ。松本人志の「シネマ坊主」でも書いてありましたが、僕もこの映画はもっと昔だったらこんなに流行らなかったと思うんです。しかし現代人は、考え方が柔軟になってこのような映画も受け入れるようになってきてるし、なおかつ普段の人生に疲れていてこういう元気が出る映画を求めるようになってきてると思いますよ。

 




<アメリ 解説>

  小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリ。22歳になった今でも、モンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。そして、あることをきっかけに、他の人を幸せにすることに喜びを見出したアメリ。他人の人生にこっそりおジャマしてはたのしい悪戯を仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。そんなアメリも自分の幸せにはぜんぜん無頓着。ある日、不思議な青年ニノに出会ったアメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ない……。

ダンジョン&ドラゴン

間違いなく3月ワースト1の映画です。

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 監督/コートニー・ソロモン

 出演/ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・ホウェリン、  
     マーロン・ウェイアンズ
            
 (2000年・米)

 
 イズメール王国は、貴族階級であるメイジ(魔法使い)達が支配する国でした。王国の女王サヴィーナは貴族も平民も平等に暮らすべきであると考えていたのですが、邪悪な宰相プロフィオンは女王を失墜させ王国を支配しようとしていました。サヴィーナは、プロフィオンを打ち負かすためにはレッド・ドラゴンを操ることのできるサブリールの杖が必要だということを知ります。たまたま魔法大学へ忍び込んだ盗賊のリドリーとスネイルは、魔法使い見習いのマリーンと共に、サブリールの杖を探すことになります。

 こんなにとんでもない映画は久しぶりに見ました。面白いとか面白くないとかの問題ではなく、本当にダメな映画ですね。たぶん誰が見てもダメだと思いますよ。同時期に作られた同じようなジャンルの映画である「ロード・オブ・ザ・リング」に勝っているところは1つもありませんし、まったく存在価値のない映画です。

 主人公達は旅をしているんですが、その行程のシーンがまったくありません。移動はすぐに場面が切り替わるんですね。編集が大変なのかもしれませんが、これでは旅をしている感じがまったくしないです。いわゆるモンスターとの戦闘シーンもありません。人間同士の戦闘も、ほとんど武器で殴りあうだけで何も面白くないです。おまけに主人公の仲間のドワーフやエルフは戦闘シーンがほとんどなく、存在感がまったくありません。こいつらがいつのまにかプロフィオンの手下のダモダーに捕まっているシーンがあるんですが、あまりにも身体がきれいで傷1つないので、実はこいつらはダモダーとグルなんじゃないかと思ったぐらいです。

 そういうわけで道中においても戦闘においても仲間達が力をあわせて困難を乗り越えるといったシーンがまるでない映画です。「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の映画なのにまともなダンジョンも1つも出てきません。いったいこの映画の何を楽しめというんですかね。最後のたくさんのドラゴンが出てくる空中戦の映像でしょうか。しかしこの映画に出てくるドラゴンはただ飛び回って火吹いてるだけですしね。僕が今まで読んだゲームブックやファンタジー小説では、ドラゴンは他のモンスターより知性があったし魅力的だったんですけどね。まあこの映画では、ドラゴンだろうが人間だろうがエルフだろうが、魅力的なキャラクターなんて1人も出てきませんけど。

 とにかく展開だけが異常に速く、途中手に汗握るスリリングなシーンなんかも1つもないのに、最後のプロフィオンのやられ方もなんじゃこりゃと言いたくなるようなシロモノです。敵が1人で味方が4人なのに4人力を合わせて立ち向かうのではなく「1vs1」を4回やるのはもうこの段階では怒りも湧かなかったんですが、それでもこのやられ方はバカバカしすぎて言葉が出ませんでした。

 映画としてダメなだけでなく、題材となった「D&D」らしさもほとんどないです。まだ「ロード・オブ・ザ・リング」の方が「D&D」の世界に近いと思います。まあ、壮大な「D&D」の世界を2時間の映像にまとめるのはたしかに無理があるんでしょう。予算もそんなになさそうですし。しかしそれ以外のものを撮らしてもこの監督はダメだと思いますよ。才能もないのに難しいことをやるなと言いたいですね。

 主役の俳優は僕はまったく知らない人なんですが、地味な感じで全然かっこ良くないですね。それに盗賊っぽさなんかまったくないボンボンくさい顔立ちです。どうしてこいつを主役にしたんでしょうかね。女王役のソーラ・バーチも「ゴーストワールド」でせっかく褒めたのにこの映画では全然ダメでしたし。 

 点数は★0です。1つもいいところがないです。間違いなく3月ワースト1の映画ですね。 





<ダンジョン&ドラゴン 解説>

  「マトリックス」のジョエル・シルヴァー製作総指揮によるファンタジー・アドベンチャー。これが初監督作品となるコートニー・ソロモンが魅了されたRPG“ダンジョン&ドラゴン”を執念の映画化。VFXを駆使したリアルで迫力ある映像が見どころ。魔法を操る貴族メイジが支配するイズメール王国では平民たちは奴隷のような扱いを受けていた。そんな国状を憂いた若き女王サヴィーナは自ら操るゴールデン・ドラゴンとともに、邪悪な宰相プロフィオンに立ち向かうのだが……。

ウィズ・ユー

2人の10年後はぜひ描いてほしかったですね。

r161337352L.jpg ★★★★★☆☆☆☆☆ 

 監督/ティモシー・ハットン

 出演/ケヴィン・ベーコン、メアリー・スチュアート・マスターソン、
              エヴァン・レイチェル・ウッド

 (1997年・米)

 
 10歳の少女ハリエットは、母の経営するモーテルで母と姉と3人で暮らしていました。ある日、そのモーテルに一組の母子が宿泊することになりました。息子の方のリッキーは知的障害を持つ青年でした。彼らは障害者が入居する施設に向かっていたのですが、その途中で車が故障し、車が直るまでたまたま近くにあったモーテルに滞在することにしたのです。ちょっと変わり者で家庭でも学校でも浮いているハリエットは、リッキーと意気投合し、仲良くなります。しかし、ハリエットの姉や母はそれを快く思っていませんでした。

 これはたぶん誰が見ても地味な印象を持つ映画だと思います。感情を激しく揺さぶられたり泣いたりとかはないでしょうね。僕もそうです。テーマやストーリーから考えておそらく感動作なんでしょうが、わりと淡々と見ていました。いまいち盛り上がりに欠ける映画ですね。たぶん監督の見せ方とか演出とかそういったところが地味というか、つまらないからでしょう。この映画の監督はティモシー・ハットンですか。監督としての才能はまるでなさそうなので、俳優業に専念した方がいいですね。

 ストーリーも、悪くはないんですが、ちょっと小さくまとまりすぎていますね。よく考えるとこの話はどうにも救いようがない話ですよ。しかし、舞台を1960年代後半の田舎町に設定し、美しい自然とノスタルジックな雰囲気の中でハリエットとリッキーの交流を描くことによって、映画全体がほのぼととした感じになっています。だから見終わった後は、「この時間は2人にとって夢のような美しい時間だったんだなあ。」という印象しか残りませんでした。ちょっと雰囲気にごまかされたような気がしますね。

 ラストも、ご都合主義のハッピーエンドよりはマシなんですけど、監督に対して「逃げたな。」という印象を受けました。この映画の中でリッキーがハリエットに、「僕はいつまでも子どものままだけど、君はこれから成長して大人になってしまうから、僕のことを嫌いになってしまうんだ。」といったことを言うシーンがあります。僕が一番感動したシーンです。だからこそ、10年後にこの2人がどうなっているのかということはとても興味があるし、監督にぜひとも描いてほしかったですね。

 この映画ではハリエットとリッキーの交流だけでなく、ハリエットの家族の問題についても描いていますが、これも気が付けばしょうもない終わり方をしています。別にハリエットと家族は最初から最後までこれっぽっちも分かり合わなくてもそれはそれで面白いと思うんですけどね。こんなつまらない展開だったら別に姉は出てこんでいいとも思いますし。どうもこの映画は何につけても甘い仕上がりになっているような気がしますね。

 配役についても、リッキー役はもうちょっと無名の役者を使ってほしかったですね。ケヴィン・ベーコンがその役をしているんですが、有名すぎてどんなキャラクター作りをしてもケヴィン・ベーコンにしか見えません。だから知的障害者には見えません。おまけに実績十分の役者である彼の演技にも色々危なっかしいところがありましたからね。ケヴィン・ベーコンは「告発」の演技がすごく良くて、わりと評価していた役者なんですが、この映画ではイマイチでした。

 ハリエット役のエヴァン・レイチェル・ウッドの方は初めて見ましたが、この年にしては演技も上手だし、顔も正統派の美少女の顔で可愛いし、いい女優になるんじゃないかなと思いますよ。この映画では一番光っていました。

 この映画の点数は★5ぐらいですかね。この映画は監督、脚本、主演男優がイマイチで、いい所といえばエヴァン・レイチェル・ウッドときれいな風景ぐらいだし、映画の出来としては決して良くはないと思います。しかし、甘くて柔らかい雰囲気の映画で、僕が何だかんだ言ってある程度の点数をつけているところから考えて、万人に好かれる映画とまでは言いませんが、万人に嫌われない映画だとは思いますね。


 

 




<ウィズ・ユー 解説>

  知的障害を持つ青年と、複雑な家庭に育った10歳の多感な少女との心の交流を描いたヒューマン・ドラマ。1960年代後半、ペンシルバニア州の小さな田舎町。10歳になるハリエットは家族で経営するモーテルで暮らしている。母はアル中、姉は何人もの男と寝ているふしだらな女。夢の世界に生きる彼女は、本当に自分を理解してくれる場所に行きたいと願っていた。そんなある日、ハリエットは知的障害を持つ青年リッキーと出会い、二人だけが互いを理解し合えると気づく……。
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