どっちかといえば松本人志が好きな人。
ダンジョン&ドラゴン
間違いなく3月ワースト1の映画です。
監督/コートニー・ソロモン
出演/ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・ホウェリン、
マーロン・ウェイアンズ
(2000年・米)
イズメール王国は、貴族階級であるメイジ(魔法使い)達が支配する国でした。王国の女王サヴィーナは貴族も平民も平等に暮らすべきであると考えていたのですが、邪悪な宰相プロフィオンは女王を失墜させ王国を支配しようとしていました。サヴィーナは、プロフィオンを打ち負かすためにはレッド・ドラゴンを操ることのできるサブリールの杖が必要だということを知ります。たまたま魔法大学へ忍び込んだ盗賊のリドリーとスネイルは、魔法使い見習いのマリーンと共に、サブリールの杖を探すことになります。
こんなにとんでもない映画は久しぶりに見ました。面白いとか面白くないとかの問題ではなく、本当にダメな映画ですね。たぶん誰が見てもダメだと思いますよ。同時期に作られた同じようなジャンルの映画である「ロード・オブ・ザ・リング」に勝っているところは1つもありませんし、まったく存在価値のない映画です。
主人公達は旅をしているんですが、その行程のシーンがまったくありません。移動はすぐに場面が切り替わるんですね。編集が大変なのかもしれませんが、これでは旅をしている感じがまったくしないです。いわゆるモンスターとの戦闘シーンもありません。人間同士の戦闘も、ほとんど武器で殴りあうだけで何も面白くないです。おまけに主人公の仲間のドワーフやエルフは戦闘シーンがほとんどなく、存在感がまったくありません。こいつらがいつのまにかプロフィオンの手下のダモダーに捕まっているシーンがあるんですが、あまりにも身体がきれいで傷1つないので、実はこいつらはダモダーとグルなんじゃないかと思ったぐらいです。
そういうわけで道中においても戦闘においても仲間達が力をあわせて困難を乗り越えるといったシーンがまるでない映画です。「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の映画なのにまともなダンジョンも1つも出てきません。いったいこの映画の何を楽しめというんですかね。最後のたくさんのドラゴンが出てくる空中戦の映像でしょうか。しかしこの映画に出てくるドラゴンはただ飛び回って火吹いてるだけですしね。僕が今まで読んだゲームブックやファンタジー小説では、ドラゴンは他のモンスターより知性があったし魅力的だったんですけどね。まあこの映画では、ドラゴンだろうが人間だろうがエルフだろうが、魅力的なキャラクターなんて1人も出てきませんけど。
とにかく展開だけが異常に速く、途中手に汗握るスリリングなシーンなんかも1つもないのに、最後のプロフィオンのやられ方もなんじゃこりゃと言いたくなるようなシロモノです。敵が1人で味方が4人なのに4人力を合わせて立ち向かうのではなく「1vs1」を4回やるのはもうこの段階では怒りも湧かなかったんですが、それでもこのやられ方はバカバカしすぎて言葉が出ませんでした。
映画としてダメなだけでなく、題材となった「D&D」らしさもほとんどないです。まだ「ロード・オブ・ザ・リング」の方が「D&D」の世界に近いと思います。まあ、壮大な「D&D」の世界を2時間の映像にまとめるのはたしかに無理があるんでしょう。予算もそんなになさそうですし。しかしそれ以外のものを撮らしてもこの監督はダメだと思いますよ。才能もないのに難しいことをやるなと言いたいですね。
主役の俳優は僕はまったく知らない人なんですが、地味な感じで全然かっこ良くないですね。それに盗賊っぽさなんかまったくないボンボンくさい顔立ちです。どうしてこいつを主役にしたんでしょうかね。女王役のソーラ・バーチも「ゴーストワールド」でせっかく褒めたのにこの映画では全然ダメでしたし。
点数は★0です。1つもいいところがないです。間違いなく3月ワースト1の映画ですね。
<ダンジョン&ドラゴン 解説>
「マトリックス」のジョエル・シルヴァー製作総指揮によるファンタジー・アドベンチャー。これが初監督作品となるコートニー・ソロモンが魅了されたRPG“ダンジョン&ドラゴン”を執念の映画化。VFXを駆使したリアルで迫力ある映像が見どころ。魔法を操る貴族メイジが支配するイズメール王国では平民たちは奴隷のような扱いを受けていた。そんな国状を憂いた若き女王サヴィーナは自ら操るゴールデン・ドラゴンとともに、邪悪な宰相プロフィオンに立ち向かうのだが……。