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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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ばかのハコ船

いやになるぐらい生活の匂いがする、クセのある映画

r161864414L.jpg ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 監督/山下敦弘

 出演/山本浩司、小寺智子、山本剛史

 (2002年・日)

 

 「青汁」ではなく、「あかじる」というオリジナルの健康食品の販売を手がけている、恋人同士の酒井大輔と島田久子が主人公です。しかしこの2人は商才がまるでありません。商品はまったく売れず、借金まで作ってしまいます。 そんな2人は、事業を軌道に乗せるため、大輔の地元に向かいます。東京では商売は失敗しましたが、地元では家族や友人のコネがあるので、何とかなるのではと考えたからです。しかしみんなの態度は冷たく、大輔と久子はいきなり行き詰まってしまいます。

 これはクセのある映画ですね。とにかく世界観が小さくて、いやになるぐらい生活の匂いがする貧乏臭い映画です。リアリティがある映画というのはこの映画の他にもけっこうあるんですが、そういう映画でも、主人公の置かれている環境が普通の人とは違っていたり、ありえない事が起きたりと、物語性をもたせるために何らかの特殊性はあるはずなんです。しかしこの映画の場合はその辺にいそうな普通の人たちの、劇的なことが何も起こらない当たり前の日常をただ淡々と描いているだけですからね。主演の山本浩司を初めとして、出ている役者もまったく華がありませんし。

 そしてこの映画は僕らがふだん生きている社会を描いているわけだから、映画の世界にすっと入り込めてリラックスして見れるはずなんですけど、この映画の醸し出す空気はすっと入り込めても非常に居心地は悪いです。例えばセリフなんかも、噛みまくりで詰まりまくりです。もちろん、僕らが普段している会話はこんな感じなんでしょう。しかしそれを映画として見ると、どこか歯がゆいし気まずいですね。また、登場人物たちが互いに心が通じ合っていないので、やる事なす事かみ合っていないのも、見てて非常に不愉快な気持ちになります。

 また、僕らが普段自分とは何の関係もない人のことを特に何とも思わないのと同じように、この映画に登場する人達も、生活感がありすぎて社会ですれ違う赤の他人に見えてしまい、まったく感情移入できないんです。自分とは何の縁もゆかりもない芸能人やスポーツ選手や映画を好きとか嫌いとかいうのは、やはり彼らが特別な存在であり、自分の頭の中で勝手に作った特別なイメージを追いかけているからなんでしょうけど、この映画の登場人物は普通すぎて何のイメージもわきませんからね。

 ストーリーの流れとしては、商才はないし、人をひきつける魅力もないし、要領も悪いし、根性もないのに、夢だけはあるという典型的なバカ者の大輔達と、地道に努力して着々と夢を実現させている風俗嬢ヴェロニカの生き方を上手いこと対比させといて、最後はある意味驚愕のラストで締めています。

 それまでは生活臭の漂うまったりとした空気で、くぐもった2人の生活を淡々と描いていたくせに、それをすべてぶち壊すかのようなラストですからね。僕は本当に唖然としてしまいましたよ。こんなに力の抜ける終わり方の映画はなかなかないんじゃないでしょうか。

 この映画は好きな人は好きでしょうね。監督が独特の個性を持っているのは分かりますし。ハリウッドの超大作があまり好きではない、映画マニアを自称する人なんかにはウケるんじゃないでしょうか。僕は全然好きじゃないですけどね。見てて面白いかというと、まったくそんなことはないと思うし、それどころかしんどくなってきますし。評価は★1ですね。ただ、インパクトがある映画なので、見る価値はあると思います。10人見たら9人は僕のようにこの映画はどこが面白いんだと言いますが、残る1人が大絶賛するような映画です。

 しかしこの監督が「リンダリンダリンダ」という商業ベースに乗っている作品を作っているというのはびっくりですね。どういう理由でこの人を抜擢したんでしょうか。僕は今までは「リンダリンダリンダ」を「スウィングガールズ」の二番煎じの絵に描いたような青春物だろうと思っていたんですが、おそらくこの人が作ったんだから似て非なるものなんでしょうね。

  




<ばかのハコ船 解説>

 東京に住む酒井大輔とその恋人・島田久子は、自分たちで開発した健康飲料“あかじる”の自主販売を始める。だが商品はさっぱり売れず、2人はついに500万の借金を作ってしまった。それでもこの事業をあきらめきれない彼らは、心機一転、大輔の故郷での再起を図る。さっそく大輔の実家に帰ってきた2人は、地元のコネを頼りに起死回生を狙うが、両親や親類、同級生たちからことごとく反対され、逆に行き場を失ってしまった。2人は途方に暮れ、いつしか無為に日々をやり過ごすだけの生活が続くようになり…。

 

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