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ヤスオーのシネマ坊主
あるお方の『シネマ坊主』のパクリです。
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ショーシャンクの空に

自分の人生の中でベスト5に入る素晴らしい映画

r080952994L.jpg ★★★★★★★★★★ 

 監督/フランク・ダラボン

 出演/ ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、

     ウィリアム・サドラー

              (1994年・米)

 妻とその愛人を殺したという無実の罪によってショーシャンク刑務所にやって来た、元エリート銀行員のアンディが主人公です。最初は周りに心を開かなかったアンディでしたが、ロックハンマーの調達を依頼したのをきっかけに調達屋のレッドと友好関係を築き、次第に他の刑務所の仲間とも打ち解けていきます。そしてアンディはその高い能力を見込まれ、刑務所長に重要な仕事を任されるようにもなります。そしてある日、アンディが起こしたとされている事件の真相を知る男が入所してきて、アンディにとっては自分の無実を証明する絶好のチャンスとなります。

 この映画は周囲の複数の人間から「むちゃくちゃいい映画だ。」と聞いていました。僕の妹なんかは、自分の人生でベストワンの映画だとまで言ってのけました。しかし具体的にどこがいいのかを聞いても、「いやとにかくすべてがいいから。」とかわけのわからない答えしか返ってこなかったし、「古い映画だし今さら見るのもなあ…。」みたいな気持ちが僕の中であったので、今まで見るのを避けてきたのですが、嫁はんがDVDを借りてきたのでついでに横で見てみました。びっくりしましたよ。僕が今までに見た映画の中で1位とは言わないですが、ベスト5には入るぐらいの素晴らしい映画です。感動する映画というカテゴリーだけで考えると第1位です。こんなに見た後に気分が良い映画は他にありません。1つ1つのシーンが鮮明に心に焼き付いています。この映画に出会えて良かったなあと心から思える作品です。一緒に見た嫁がそんなにこの映画を評価しなかったので、「お前はやっぱり映画好きじゃない。というか人の心がない。何でこの映画の良さが分からんねん。」と激しく責め立てたぐらいです。

 主人公のアンディは元エリート銀行マンで、普段は静かでおとなしいし、ちょっと神経質そうな感じもするのですが、実はユーモアもあるし、面倒見もいいし、心の奥には熱いものも秘めている、非常に魅力のある男です。そんなアンディが刑務所の中で起こす出来事は、冷たいビールのエピソード、図書室のエピソード、「フィガロの結婚」のエピソードなど、どれも非常に面白いしすがすがしいし、心に残るエピソードばかりです。毛色の違う彼と他の囚人達との間で仲間意識が育っていくのも分かる気がします。

 もちろん刑務所なので、楽しいことばかりでなく辛いことも多いです。アンディの場合無実の罪で投獄されたんですからなおさら納得できないでしょう。しかし彼はゲイに追いかけ回されたり、独房に放り込まれたり、投げ出したくなるような時間の中でも、いつも前向きに生きています。そして、どんな目に遭っても、自分の信念は絶対に曲げません。終盤の雨の中のシーンは、まさに胸のつかえがすべておりて、これ以上ないぐらい爽快感のあるシーンです。この映画で一番の感動の場面でしたね。

 アンディは銀行マンとして培った能力を認められて、所長の財産を管理したり看守達の納税の相談にのったりと特殊な業務を任せられていたし、学のない囚人達に高卒の資格を取らしてあげようと勉強を教えたりもしていたので、他の囚人達よりは刑務所内でのポジションは高かったと思います。そういうことから僕はアンディの気持ちについて途中から勘違いしていました。だからこそ、終盤の展開にはびっくりしたし、感動も大きかったですね。「こいつは何て奴だ。すごすぎる。」とも思ったし、「良く出来た脚本だなあ。」とも思いました。
 
 また、この映画はアンディが主人公の映画ですが、同時にレッドという男の映画でもあります。レッドはアンディの親友ですが、生き方はまるで違います。胸に熱いものを秘めているアンディと異なり、レッドは自分の人生に対してのあきらめの気持ちがにじみ出ており、日々淡々と生きています。もちろんどちらの生き方が良いとかではなく、刑務所の中で失われた時間の長さや、何度も保釈申請をしながらいつも却下されている現実などを考えると、レッドの生き方にも説得力は十分にあります。しかしアンディと友情を育み、アンディの側で彼の生き方をずっと見続けてきたレッドの中で、何かが変わっていきます。そんな彼が終盤で仮釈放審議の時に語る一つ一つの言葉は、非常に重みがあり、心に響いてきます。

 この映画は「希望」をテーマにしています。僕は普段から「もうおれの人生夢も希望もないわ。」とよく口にする、完璧に悲観主義の人間ですが、そんな僕でもこの映画を見たら励まされましたし、勇気づけられましたし、「希望」という言葉の本当の意味について分かりました。これからの人生でくじけそうな時には、この映画のことを思い出すことにします。

 あと、こんないい映画がアカデミー賞を1つも獲っていないことにびっくりしました。同じ年のアカデミー賞を多くの部門で獲得した「フォレスト・ガンプ/一期一会」は僕も昔見ましたが、いかにも賞狙いだなあという雰囲気の大作で、「ショーシャンクの空に」の方が断然いい映画です。アンディとレッドを演じたティム・ロビンスとモーガン・フリーマンの演技も良かったし、複数部門で賞を獲得しても不思議でないんですけどね。
 

 




<ショーシャンクの空に 解説>

 妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を掴んでゆく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。
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